大谷翔平【写真:ロイター】

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ドジャース解説者の発言にカナダの司会者が反論

 米大リーグ・エンゼルスからフリーエージェント(FA)となった大谷翔平投手を巡って、新天地の有力候補に挙げられる2都市の放送局が“場外乱闘”を繰り広げた。ドジャースの解説者が「カナダは寒すぎる」などとブルージェイズの本拠地の欠点をあげつらうと、トロントのアナウンサーが番組内で反論。公共の電波を使った口論に発展した。

 早朝から熱が入った。カナダ・トロントの放送局「Citytv」の番組「ブレックファースト・テレビジョン」は7日、「ショウヘイ・オオタニの最新情報」と題するコーナーを展開。大谷のブルージェイズ入りを切望する司会のシド・セクセイロ氏が熱弁をふるった。

「ロサンゼルスのスポーツ関係者が卑劣なことをしました」と切り出したセクセイロ氏。大谷争奪戦のライバルとなるドジャースの地元放送局「スポーツネット・ロサンゼルス」の解説者ジェリー・ヘアストンJr.氏の発言を「この国全体を侮辱したもの」と問題視し、番組内で紹介した。

 ヘアストンJr.氏は「(ブルージェイズは)素晴らしい球団だが、オー・カナダ。あそこでは(米国とカナダの)国歌を2つ聞かないといけないし、税金に圧迫される。それからカナダは寒すぎるよ! ニューポート・ビーチの素敵な自宅からドジャースタジアムに通うこともできるし、ここのファンは刺激的。毎年ポストシーズンでプレーするチャンスがあるよ」などと力説。これにセクセイロ氏が猛烈に反論した。

「カナダでは税率が上がったが、(ロサンゼルスのある)カリフォルニアは米国で5番目に税率が高い州だ。ロサンゼルスは世界で一番渋滞が酷い地域で、10キロ先でも8時間かかる。カナダは確かに寒いが、この前確認したときにはロサンゼルスでも雪が降っていたじゃないか」

 力が入るセクセイロ氏は1992年以降、ブルージェイズのほうがドジャースよりも多くワールドシリーズ制覇を経験していることも指摘。「国歌を2つ聞くのは素晴らしいことだ。なぜならアメリカの国歌を聞いた後に、それより優れた国歌を聞くことができるからね」とカナダのプライドも示した。

 最後には「ショウヘイ・オオタニ、私たちはあなたを愛しています。私たちはあなたにプライバシーを与えます。競争相手を与えます。ドームでコントロールされた環境を提供できます。そして6億ドルも。ショウヘイ、ホームに帰ってきなさい。We love you」とラブコール。投げキッスで締めた。

(THE ANSWER編集部)