久保建英「正直ちょっと疲れてます」自ら訴えて交代 しかし初のCLは「充実がデカすぎる」
チャンピオンズリーグ第2節、レアル・ソシエダはアウェーでザルツブルクに2-0で快勝した。
先発した久保建英は63分に交代するまで右ウイングでプレーし、大きくサイドに張って相手を引きつけることで、ボールを持たずとも味方にスペースを作り出した。ボールを持ったら持ったで、複数の相手が対応してきても、ものともせずペナルティエリア内に切り込んだ。
また、27分には自陣でのワンツーでブライス・メンデスのゴールをお膳立て。メンデスからパスを受けた久保がキープしていたところをメンデスとスイッチする形で、しかもメンデスが並走する久保を囮(おとり)にしつつも、ひとりで運んで決めたゴールではある。アシストにカウントするか、難しいところではある。
久保建英はザルツブルク戦でCL初アシストを記録
「アシストかって言われたら、まぁ、彼がすごい長い距離を運んでるんで、ほぼほぼ彼のゴールですけど......。ルール的にはアシストなので、さすがにこれはアシストにしてほしいですね」
苦笑いしつつも、茶目っ気たっぷりにアシストをアピールした。
勝利したこともあり、試合については前向きに捉えていた。
「よかったと思いますよ。前半は特にチームとしても機能してましたし、相手をアウェーで完全に押し込んでいたのでよかったなと思います」
一方で、自身の無得点について、思いの外さっぱりとしていた。
「あわよくば僕も点を獲りたかったですけど、今日はそういう日じゃなかったかなと」
そういう日じゃない、と振り返る理由は自身にあった。
63分の交代については、実は久保自らが申し出たものだったという。全身に張りを感じており、ハーフタイムにメディカルスタッフに訴えたところ、後半は10分程度で交代しようと伝えられたそうだ。
だが、戦況は理想どおりには進まず、少々押し込まれる時間帯が続き、結局10分間は18分間に伸びた。それでも「妥当だったと思います」と、納得している。
【後半に入った瞬間にドッと疲れがきて...】フィジカル的に追い込まれるのも仕方がない状況に置かれている。
久保は9月に入り、週に2試合プレーしてきた。欧州のチャンピオンズリーグなどを戦うトップチームに所属する選手にとっては、当たり前に毎年こなさなければならない日程ではあるものの、少々慣れは必要だ。
「正直ちょっと疲れてますね。(過密日程に)追いついてないところはあるので。僕のところで強度も高くやってますし、高強度ランニングの数値も高いので。でも、ちょっと疲れてるところはありますけど、そこは休み休み、休める時に休んで、中3日なので中2日よりはラクかなと思ってます」
試合中のリアルな疲労感を言葉にする。
「今日は前半、終わった時はラクでしたけど、後半に入った瞬間にドッと疲れがきて......。まぁ、あんまり見せないようにはしてましたけど、ちょっと一応、張っているところもあったので。それも含めて、60分の交代でよかったかなと思います。個人的には、試合も続くので」
疲れや身体の張りについていろいろと応えた久保だが、その様子が決して悲観的ではなく、むしろ1年前の自分と比べても成長を感じている。
「去年EL(ヨーロッパリーグ)が始まった時期は、まだローテーションしていた身だったので、僕は。試合に出てましたけど、全部に出てるわけじゃなかった。
今季は、出なきゃいけない試合は全部出てると思うので、そういった意味でそこの疲労度は増してますね。あとは(今季はCL出場で)相手のレベルが高くなったというのはあります」
そう久保は言うが、振り返れば昨季も9月中旬までの8試合中6試合に先発、2試合は途中出場と、着実に出場時間を重ねていた。それでもチームに加入して2カ月、まだ先発を奪いきれた感触もなかったことがコメントからも伝わる。
「疲労と充実って言われたら、ほんとに充実=8、疲労=2くらいですけど、充実がデカすぎるだけで疲労も確実にあるので、そこは気をつけていきたいなとは思いますけどね」
【精神的なプレッシャーも、これまでとは段違い】充実感だけにフォーカスを当てるのではなく、久保はあくまで冷静だ。
いまさらではあるが、久保にとっては初めてのチャンピオンズリーグ。国内リーグでも上位を争うクラブで、最初からレギュラーとして期待を寄せられているのも初めてのこと。フィジカル的な疲労だけでなく、精神的なプレッシャーも、これまでとは段違いなはずだ。
それでも、この先さらに一段、上に行くために──。
乗り越えるべき、壁のひとつなのだろう。