キッチンにつくることの多い勝手口ですが、本当にその場所が正解かよく考えてみましょう。3年前にハウスメーカーで家を建てた日刊住まいライターは、「駐車場、パントリー、キッチンをつなぐ動線」にするべく、パントリーを勝手口を設置。買い物を運び込むこともゴミ出しもスムーズになりました。ただし、後悔していることも。詳しく語ります。

パントリーに勝手口!家事動線がすっきり

わが家は妻と子ども2人(4歳と1歳)の4人家族。3年前に大手ハウスメーカーで総2階の家を建てました。

上はわが家の間取りです。道路に向かって正面に玄関(画像左上)があり、裏側に勝手口(画像右側)があります。勝手口は、キッチンに入るまでの通路途中にあるパントリー横につくりました。

キッチン奥に勝手口をつくると、必ず調理する通路を通ることになります。それよりも、バックヤードのような存在のパントリー側につくった方が、動線がすっきりすると思ったからです。

結果的に勝手口は、パントリーにもキッチンにも近い便利な動線となりました。実際に3年暮らしてみて、パントリー横の勝手口は、たしかに動線がすっきりしていると感じています。それ以外にも多くのメリットがありました。さっそく紹介します。

 

駐車場からの動線がコンパクト、ゴミ出しもラク

じつは勝手口から外に出た先には、縦長の駐車場(写真手前)があります。ですから、クルマを後ろ向きに駐車したときに、勝手口の横が、クルマのトランクの位置に。

勝手口までが最短、荷物を運び入れやすいです。重い荷物を抱えていても移動距離が短いので助かっています。さらに、勝手口のあるパントリーが、キッチンにも近いため、運び込んだ荷物をスムーズに収納できます。

わが家のパントリーは、洗剤やトイレットペーパーなどの、日用品のストック置き場。勝手口から入ったら最初に日用品を収納し、そのままキッチンに進んで食材を冷蔵庫などに入れています。買い物の荷物が重くも、収納までの移動が短いので、この点でも快適です。

そのほかにもメリットが。キッチンで出るゴミも外に出しやすいこと。生ゴミを玄関経由ではなく、この勝手口から外に出すことができます。ちなみにこの勝手口のある家の裏側には多少のスペースがあり、ここに70Lの大型のゴミ箱を設置しています。

勝手口にそばに、靴置き場をつくって使いやすく

じつはわが家は、勝手口の外にある駐車場経由で出た方が、最寄り駅までの距離が近いです。また買い物やゴミ出しなどで使い勝手がいいので、玄関よりも勝手口の方を頻繁に使います。

ですから、玄関は、筆者が会社へ出勤したり、大きな荷物を運び入れたりするときくらいしか使いません。

そのため、家族の靴を少しでも多く置けるようにと、パントリーの棚のいちばん下の場所に、DIYで靴置き場を設置しました。DIYのため決して形のよいものとはいえませんが、キッチン側からは見えず、通路の妨げにもなっていません。

 

狭い&フラットにしたことは後悔

ここまで勝手口のよい点ばかり挙げましたが、後悔している点が2つあります。

1つ目は、勝手口の土間のサイズが80×50cmで非常に狭いこと。自作の靴置き場を設置しているのも、勝手口が狭ことが理由。

2つ目は、勝手口と家の中の間がフラットに続いていることです。

靴置き場をつくったとはいえ、家族が頻繁に使う場所。勝手口が狭いため、常時、靴であふれかえっている状態。靴が家の中に入り込んでしまうこともしばしばです。

また、買い物の荷物を運びこんだり、寝てしまった子どもを抱えて家に入ったりするときには、靴を蹴っ飛ばして、家の中に入ってしまうこともあります。そのため、勝手口近くが汚れやすいことが悩みに。

今だから思う使い勝手のよい勝手口は

今だから思う使い勝手のよい勝手口は、家の中と勝手口に段差をつけて、勝手口側を一段下げる仕様です。

勝手口が狭くても、家の中との段差があることで、靴を乱雑に脱いでも靴が家の中に入ってしまうことを防げるはず。とても簡単な案ですが、段差があるとないとでは、汚れ方が大きく変わるだろうと感じています。

「勝手口はキッチンにつくるもの」と考える方は多いかもしれません。でも、筆者の家のようにパントリーに近い場所につくる手も。ぜひ、家づくりの参考に。