《USB-C搭載はほぼ確定?》iPhone 15、最上位モデルは20万円近くになる可能性も。噂される新モデルの変更点を大予想
9月の2週目といえば、例年iPhoneの新モデルが発表されるタイミング--。今年も同じ流れを踏むとすれば、9月12~13日あたりに発表される可能性が高い。本稿では、「iPhone 15(仮)」シリーズでどのようなアップデートが期待されるのか、これまでに報道されてきたさまざまな噂のなかから、特に影響の大きそうなトピックをピックアップして紹介する。
ついにLightningからUSB Type-Cへの変更か?
iPhoneが年々進化する中、長く待ち望まれてきたのがUSB Type-Cポートの搭載です。現状多くのAppleデバイスがUSB Type-Cポートへの移行を完了していますが、iPhone(とAirPodsシリーズ)だけは、Lightningポートが採用されています。
Apple関連情報の老舗サイトである「MacRumors」では、2022年5月11日に「Kuo: iPhone 15 to Switch From Lightning to USB-C in 2023」という記事において、「Appleは2023年後半に発売予定のiPhone 15ラインナップのすべて、あるいは一部のモデルで独自のLightningポートを廃止し、USB-Cに切り替える予定である」と、Appleの未発表製品予想で有名なミンチー・クオ氏が述べたとの旨を報じています。
このトピックの背景には、EUの立法議会である欧州議会が、EU圏内で販売されるすべてのポータブル電子デバイスにおいて、USB Type-Cポートの搭載を義務化する法令を2024年秋までに施行するとしている事情があります。同法令は、2021年9月に欧州議会へ提出されていたもので、2022年6月に上記の旨が発表されました。
同法令が今後施行されることがほぼ確実であると考えると、少なくともヨーロッパ向けに販売されるiPhoneシリーズにUSB Type-Cが搭載される可能性はかなり高いはず。搭載の有無というよりは、実行するタイミングの問題だともいえます。
あとは、2023年秋の全モデルに統一してUSB Type-Cが搭載されるのか、グローバルで同じ仕様が採用されるのかなど、Appleの舵取りが気になるところです。
もしLightningからUSB Type-Cへとコネクタが変更されるなら、MacBookシリーズとケーブル類を統一できることで、充電はもちろん、iPhoneで撮影した動画データの抽出なども行いやすくなるでしょう。
なお、iPadシリーズでは、2022年10月に発表された「iPad(第10世代)」がUSB Type-Cを搭載。併売されている過去モデルの「iPad(第9世代)」を除いたほかのラインナップはすべてUSB Type-Cを備えている
Pro/Pro Maxは「超高級モデル」になる可能性も
同じく「MacRumors」では、2023年3月15日に「iPhone 15 Pro Predicted to See First Price Increase Since iPhone X」という記事において、「Appleの次世代iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxは、以前のProモデルよりも高価になる可能性が高い」と、香港のアナリストであるジェフ・プー氏が述べた旨を報じています。
日本市場では為替の影響などもあって、iPhoneの価格は年々上昇してきましたが、実は米国においては、価格は維持されてきました。たとえば、2017年に発売された「iPhone X」から、Proシリーズの下位モデルは999ドルで、「iPhone XS Max」からProシリーズの上位モデルは1099ドルを維持してきました。
2022年秋のApple Eventにおいて、「iPhone 14 Pro/14 Pro Max」の価格が公開された場面
iPhone 15において、先述のようなUSB Type-Cの搭載などが本当にあるとすれば、たしかに値上げがあっても不思議ではありません。また上位モデルには素材としてチタンが採用されると噂されており、もし実現するのであれば、特にProシリーズの値上げは避けられないといえそうです。
たとえば、もし「iPhone 15(仮)」シリーズの米国での価格が、それぞれ100~200ドル程度上昇すると仮定すれば、単純な日本円換算だと約1.5万円~2万9000円程度値上げされることになります。そうなると、最上位のPro Maxは最小スペックでも20万円近い価格に……。
とはいえ、本当に米国で値上げされるのかどうか、その場合値上げ幅はどうなるのか、日本市場での価格への影響は--など、まだまだ未知数な部分は多くあります。1人のiPhoneユーザーとしては、ぜひ日本市場での価格は、あまり上がらないで欲しいと願うばかりです。
全モデルで「Dynamic Island」搭載となるか?
米国の金融情報を報じる「Bloomberg」では、2023年7月30日にマーク・ガーマン氏が「The iPhone 15 Pro Will Have Thinner Bezels in Step Toward Apple’s Dream」というニュースレターにて「標準のiPhone 15モデルはノッチをDynamic Islandに置き換える」と伝えています。
iPhone 14 Pro/Pro Maxで初搭載された「Dynamic Island」
「Dynamic Island」とは、2022年秋に発売された「iPhone 14/14 Pro」で初搭載された前面カメラ周辺の表示領域およびユーザーインターフェイスの名称です。
それまで前面カメラ周辺には、一般的に「ノッチ」と呼ばれる凹型のディスプレイの切り込み部分に配置されていました。しかし、iPhone 14 Pro/Pro Maxではこのノッチがなくなり、パンチホール式の前面カメラが採用され、OSのユーザーインターフェイス表示が連動するDynamic Island機能によってカメラ部分が目立たなくなっています。この前面カメラのデザインが、下位モデルでも採用されるのかどうか注目です。
また、Bloombergは同ニュースレターにて、「ProとPro Maxは『low-injection pressure over-molding』、またはApple内で『LIPO』と呼ばれる新しいテクノロジーで製造される」と報道。その新技術の恩恵として、上位モデルのベゼル(ディスプレイの縁)がさらに薄くなるとしています。具体的な技術名称が登場しているあたり、噂としての期待度も高めです。
Pro/Pro Maxモデルでは、ディスプレイの縁がさらに薄くなることが予想されている
このほかにも、3nm(ナノメートル)プロセスで製造されるであろう最新「A17 Bionicチップ」の搭載や、カメラの画素数の大幅な進化、メモリ容量やストレージオプションの増加、Wi-Fi 6Eへの対応、充電速度の向上などなど--iPhone 15(仮)シリーズに関する具体的なアップデートの噂が続々と上がってきています。
もちろん眉に唾を付けながら受け止めなくてはならない情報も多いですが、今年もこうした噂情報を眺めながら、新iPhone発表までワクワクした気分を楽しみたいですね。
文/井上晃