JR越美北線の終点付近まで高規格道路が開通となります。

ことし秋の開通予定


工事が進む大野油坂道路の下山IC付近(乗りものニュース編集部撮影)。

 国土交通省 福井河川国道事務所は、福井県内で建設を進めている中部縦貫道「大野油坂道路」について、2023年6月末時点の工事進捗を発表しました。

 大野油坂道路は、大野市の大野ICと油坂峠道路をつなぐ約35kmの高規格道路。狭隘で長い峠道がつづく国道158号のバイパスとして、福井〜郡上を結びます。全通すれば、北陸道の福井北JCT・ICと東海北陸道の白鳥ICが高速道路で直結され、北陸・中部地方の交通ネットワークの利便性が大きく向上します。

 今年3月に大野市内から途中の勝原ICまで一部先行開通しましたが、本命の九頭竜ICまでの開通もまもなくの状況。全長4988mの荒島第二トンネルも貫通し、舗装工事に入っています。一部箇所の盛土・切土工事が続いているのみで、めぼしい構造物は完了しており、まさに最終盤といった様相です。

 6月14日に開かれた工程管理に関する会議でも「特に問題なし。工事は進捗している」とのことで、このままいけば予定通り、今年秋に開通を迎えることとなりそうです。

 この工区が開通すれば、福井〜越前大野〜九頭竜湖で運行されるJR九頭竜線(越美北線)にとって、完全に並行した高規格道路が誕生することとなります。さらに、もともとめざしていた郡上への延伸の夢も、今後は大野油坂道路へ託されることとなります。

 北陸道〜東海北陸道が直結となる全線開通は、2026年春の予定。九頭竜〜油阪間の進捗ですが、6本のトンネルのうち、2本が貫通済み、2本が貫通間近、最も長い2853mの「大谷トンネル」も、すでに半分以上が掘り進められています。あいだの高架部分でも、橋脚が立ち並びはじめています。

 ちなみに荒島第二トンネルの長さは4988m。ギリギリ5000mにならない長さで設計されています。このような例は新名神の箕面トンネル(4997m)、中部横断道の樽峠トンネル(4999m)など各地で見ることができます。