野性味あふれるGクラスです。

「キングスタリオン」「チヌーク」で空輸可能

 ドイツの軍需企業ラインメタルは、2023年7月10日、ドイツとオランダの両国軍から新型の特殊部隊用車両「カラカル」を受注したと発表しました。
 
 同車はメルセデス・ベンツ「Gクラス」をベースにした多用途4輪駆動車で、開発にはラインメタルのほか、メルセデス・ベンツおよびACS(アーマード・カー・システムズ)が関わっています。特徴は汎用性と拡張性に優れている点で、様々なオプションを取り付けてカスタマイズすることで、空挺部隊や特殊部隊の要求に対し、柔軟に対応することができるといいます。
 


ラインメタルが、メルセデス・ベンツやACSと共同開発した新型軍用4駆「カラカル」(画像:ラインメタル)。

 ベースは、最新のGクラス、すなわちW463のコンポーネントを用いており、エンジンは出力249馬力の水冷直列6気筒DOHCターボ・ディーゼルを搭載。このエンジンにより、車重は4900kg(ベースタイプ)あるものの、最高速度130km/hを発揮することが可能だといいます。

 また車体サイズをコンパクトにまとめたことで、CH-53K「キングスタリオン」やCH-47F「チヌーク」といった大型の輸送ヘリコプターであれば、最大2両を機内に収容することが可能だそう。とうぜん機外に吊り下げて運ぶこともできます。

 全長は4.35mと4.7mの長短2種類あるほか、独自設計のモジュラー構造によって、基本タイプである兵員輸送モデル以外に、医療支援モデル、補給仕様など、さまざまな派生型を1つのコンポーネントでまかなうことができるとのこと。

 ラインメタルによると、ドイツ連邦軍から2054台、オランダ軍から1004台、両者合わせて最大3058台を納入する契約を結んだそう。なお同社では、今後20年以上にわたって、完全サポートを提供していくとしています。

※一部修正しました(7月12日12時00分)