七夕賞に出走予定のサンレイポケット(撮影:橋本健)

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 本記事ではnetkeibaオリジナルAIが推奨する本命候補3頭を特筆すべき過去の傾向とともにご紹介します。

 今週の重賞競走は日曜日に七夕賞(GIII)とプロキオンS(GIII)が行われます。その中から福島競馬場で行われる七夕賞を取り上げます。まずは過去の傾向から。

 過去10年の七夕賞における前走クラス別成績を見ると、重賞に出走していた馬が8勝2着7回3着3回と結果を残しています。一方、前走がオープン以下だった馬は2勝2着3回3着7回となっているので前走重賞組に分がありそうです。ただ、前走がオープン以下だった馬の七夕賞での単勝回収率は238%、複勝回収率は270%と高期待値をマークしているのは覚えておいて損はないデータと言えます。

 続いては前走の着順別の成績です。七夕賞は波乱傾向が強いという印象を抱く方も多いと思います。その要因のひとつが前走の着順です。過去10年の七夕賞において、前走6着以下の馬が6勝2着4回3着4回と良績を残しています。前走で上位争いに絡んでいる馬に人気は集まりやすいと思いますが、そのような馬よりも前走で掲示板にすら載れず、人気を集めにくい馬が変わり身を見せる事が波乱傾向を強めているのではないでしょうか。

 そんな一筋縄ではいかない七夕賞で、AIから導き出された月曜日時点での本命候補3頭をご紹介します。

◆波乱の可能性を感じさせるAIの本命候補

サンレイポケット

 8歳となった今年は3戦して結果を残せていませんが、出走したレースは日経新春杯(GII)、阪神大賞典(GII)、天皇賞(春)(GI)と全てGII以上。レベルの高いメンバーが相手だっただけに結果を出せなかったのも致し方ない面がありますし、年齢的な衰えが敗因と判断するのは早計ではないでしょうか。昨年の鳴尾記念(GIII)3着、チャレンジC(GIII)4着と好走していますので、GIIIのメンバーレベルであればチャンスは十分にありそうです。

 また、サンレイポケットの前走は天皇賞(春)でしたが、過去10年の七夕賞で前走が天皇賞(春)だった馬は3頭が出走し2着1回3着1回。3200mから2000mと極端な距離短縮は一見すると不利に思えますが、サンプル数は少ないとは言え好成績を残している事はサンレイポケットの好走を後押しする材料と言えるかもしれません。

セイウンハーデス

 前走の新潟大賞典(GIII)で2着と好走。それまで重賞では4着が最高着順でしたが、前走で自身初めての重賞連対を果たし本格化ムードが漂います。その新潟大賞典では勝利する事は出来ませんでしたが、3着には8馬身もの大差をつけています。また、前走は差し馬が上位に来る流れでしたが、その展開を作り出したのは逃げの手を打ったセイウンハーデス自身です。4角4番手以内の馬で上位に粘ったのはセイウンハーデスのみで、先行勢が苦戦する中でも連対を確保したあたりに地力の高さがうかがえます。

 セイウンハーデスはこれまでに10戦していますが、全てのレースで4角を5番手以内で通過。逃げ、先行で結果を残しているタイプですので、まだまだ良好な馬場コンディションが見込める開幕2週目の福島もプラスに働くはずです。

ククナ

 ククナの父キングカメハメハは近年の七夕賞で好結果を残しています。昨年は父系にキングカメハメハの血を持つエヒトが優勝。2着ヒートオンビート、3着アンティシペイトも父系にキングカメハメハが入っていました。2年前に2着と好走したロザムールも父系にキングカメハメハを持っていました。さらには3年前の2着ブラヴァス、3着ヴァンケドミンゴも父系にキングカメハメハの血が入っていました。昨年のエヒト、2年前のロザムール、3年前のブラヴァスとヴァンケドミンゴは七夕賞を6番人気以下で好走しています。人気薄で結果を残せるのは、父系にキングカメハメハを持つ馬が近年の七夕賞に高い適性があるからと言えるのではないでしょうか。

 ククナはこれまでに重賞タイトルは獲得していませんがアルテミスS(GIII)ではソダシ、クイーンC(GIII)ではアカイトリノムスメといったGI馬と僅差の競馬をしており、ポテンシャルの高さも証明していますので、想定段階での人気はなさそうですが好走するチャンスも十分にありそうです。