スアレス投手(写真:AP/アフロ)

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韓国スポーツメディア「スポーツ朝鮮」(WEB版)は2023年5月30日、サムスン・ライオンズに所属する元ヤクルトのアルバート・スアレス投手(33)の特集記事を組み、スアレスの人柄を絶賛した。

クオリティスタート6試合も1勝止まり

スアレスは30日に行われたSSGスランダース戦に先発し、7回8安打5奪三振3失点と試合を作ったが味方打線の援護に恵まれず2−3で敗れ、敗戦投手となった。今季は9試合に登板して1勝4敗、防御率3.93。クオリティスタート(QS=6回以上を投げて自責点3以内)は6試合で達成しているが1勝に留まっている。

スポーツ朝鮮によると、好投を続けるも勝ち星がついてこない状況の中でもスアレスはチームメイトへの気遣いを忘れないという。同メディアが紹介したのは5月11日に行われたハンファ・イーグルス戦のワンシーンだ。

スアレスは先発し、2点ビハインドの5回に味方守備の失策があり3点目を献上した。失策した選手は5回終了後に申し訳なさそうにスアレスに歩み寄ったが、スアレスはその選手を慰めるように抱きしめ、励ましの言葉を投げかけたという。

試合はサムスン・ライオンズが0−4で敗れ、スアレスは7回6安打4失点(自責3)で敗戦投手となった。

「外国人投手ではなくチームリーダーとしての行動」

記事では、チームメイトの失策に対して露骨に嫌な顔をする外国人投手がいる中でスアレスは表情ひとつ変えることなく大人の対応としたとし、「外国人投手ではなくチームリーダーとしての行動。スアレスの仲間と野球に対する態度と人格が感じられた場面だった」と絶賛した。

そしてスアレスが入団時に「チームの勝利が最優先である。私がここ、韓国に来た理由は、できるだけチームを助けて多くの勝利を取らせるためだ」と発言したことを振り返り、「外国人選手特有の儀礼的な『チームファースト』スローガンではなく本気が感じられる」とした。

ベネズエラ出身のスアレスは16年にサンフランシスコ・ジャイアンツで大リーグデビューし、18年オフにヤクルトに移籍。ヤクルトで3年間プレーし通算10勝8敗1セーブ3ホールド、防御率3.00を記録した。

21年オフに韓国リーグのサムスン・ライオンズに入団。地元通信社「聯合ニュース」(WEB版)の当時の報道によると、1年契約で年俸は最大100万ドル(約1億1400万円)。移籍1年目の22年は30試合に登板して6勝8敗、防御率2.49だった。今季も同チームでプレーしている。