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 キケ・セティエン監督の下で2位、ロナルド・クーマン監督の下では3位、そして途中就任のシャビ監督の下で2位となっていたFCバルセロナがついに、昨夏のプレーシステムの変更や大型補強が功を奏する形で、2019年以来となるラ・リーガのタイトル奪還に成功した。「とても感動的な瞬間で、祝わずにはいられないという瞬間だったよね」と喜びをみせた指揮官は、「シャビの優勝を聞くことは好ましくはない。これはバルサの優勝なのだ。成長するバルサ、新次元、新時代に到達しようというバルサだ」と強調。

 その1つの節目を現実のものとしたのが日曜夜に開催された、エスパニョール・バルセロナとのダービーマッチだ。バルサ史上27度目の優勝。とりわけGKマーク=アンドレ・テル=シュテーゲンはリーグ戦34試合でわずか13失点のみ、ラ・リーガ史上初となるホーム戦15試合で無失点、1−0での勝利は11試合、敗戦数はわずかに3という点からもみてとれるように、その卓越した安定したディフェンスがこの優勝劇を支えたといえるだろう。

 とはいえ攻撃面でもリーグ全体2番目となる64得点をあげており、1位のレアルとの差は6。その半数近くをマークしたのが、昨夏にバイエルンから獲得したロベルト・レヴァンドフスキであり、得点王争いでもカリム・ベンゼマに4差をつけてタイトル獲得に歩みを進めているところ。今回の優勝は財政難に喘ぐクラブ経営陣にとっても癒しとなるものではあるが、それと同時に更なる期待値とプレッシャーも増していくことにもなる。

エスパニョールのサポーターは不快感

 なお試合終了後には優勝を祝したバルサ一行だったのだが、地元のライバルチームのサポーターがピッチ内へと乱入したために、ほどなくロッカールームへと退避。シャビ監督は「あそこで祝うことは普通のこと」としつつも、「本拠地ではないし無礼なことはできない」と述べ、「コントロールが難しいだろうから、選手たちには去ったほうがいいと伝えた」とのこと。その後にパーティは引き続き行われていたという。それでも喜びを損なうことはなく、ファンたちは街の中心部にある世界的に有名なランブラス通り(1.2kmの遊歩道)で夜を昼へと変えていった。この後に月曜日には、カンプノウから凱旋門までのオープントップバスで、数千人のファンの前でバスパレードが行われており、選手たちは「The league is ours, so is the future」と書かれたTシャツを着用している。

バルサのラポルタ会長、メッシ復帰のため「あらゆる手を尽くす」

 また「とてもいい気分だ。このために頑張ってきたのだから」と成功に酔いしれたラポルタ会長だが、すでに視線は来季に向けられており、「メッシ復帰のため、我々はあらゆる手を尽くしていく」と日曜夜にコメント。「バルサはメッシのホームであり、サウジや他国と戦うことは可能だ」と述べているが、一方でサウジアラビアのアル・ヒラルは、メッシに対して総額6億ユーロものオファーを出したと言われ、そんな中で父ホルヘは最近メッシがシーズン終了後まで決心しないことを明らかにしている。