好みの外観にしたくて、ベランダありの家を建てて後悔。120万円かけて、使ったのは1度だけ
ライフスタイルの変化で、洗濯物は室内で干す家庭が増加中。日刊住まいライターも、そんな生活を送っているはずなのに…。「ベランダがあったほうが、家の外観がしっくりくる」という理由で、2年前に地元工務店との家づくりを進めました。結果、実際に使ったのは、テントを干す目的でわずかに1回。それでも、しっかりベランダのメンテナンスは必要です。後悔していることを語ります。
当初検討していた外観は「カバードポーチ」のある家
筆者は妻と子ども2人(9歳と6歳)の4人家族。家づくりの際に、28社のハウスメーカーを見学。2年前に地元工務店で、2階建ての注文住宅を建てました。
スタート段階では、ベランダをつくらないことでプランを進めていました。筆者の家では、花粉症の家族がいることから、布団は干さないことが多いからです。またベランダをつくることで、建築費用が増えるということも気になりました。
ベランダをつくらない代わりに、上の図面のように1階の上部に屋根をつけて、輸入住宅でよく目にする「カバードポーチ」(屋根つきの玄関ポーチやデッキのこと)のような、外観デザインを検討することに。
ただ、屋根をつけることで深い軒ができると、1階の部屋の中に日差しが届かず、室内が暗くなってしまう可能性が。また、家族からも「それなら、その分、外壁を出して室内が広くなるプランにしたい」という希望が出てきました。
結局、外観を変更してベランダをつくることに
そこで外観を変更。1階部分の外壁を出すことにしました。しかし、そのまま屋根まで外壁が伸びる総二階は、デザイン的に気に入らなかったので、2階にはベランダをつくることに。大きさは奥行き70cm、幅10mのベランダです。
このような経緯で筆者の家は、「外観の好み」というだけで、ベランダをつくることとなったのです。
気になる費用については、当初、工務店からはそこまで増えないと聞いていました。しかし最終的には、120万円の増額に。
建築申請をしたあとの、変更が難しいタイミングで言われたので、そのままとしました。
これだけの増額になった理由は、ベランダにつける手すりと、すりガラスのような部分が高かったからだと説明を受けました。
2年住んでみて結果、使ったのは1度だけ
2年住んで、実際に利用してみて、「あってよかった」と感じたのは一度のみでした。それは雨の日にキャンプをして、濡れたままのテントを持ち帰った際に干した場面。
それ以外では、子どもが庭で遊んでいるのを2階から写真を撮るくらい。なくても全然問題ありません。
テントを干すのだって、ベランダなしでもできるはず。庭のどこかに、ひもでつるせばいいだけですから。
筆者の家にはランドリールームが1階にあるため、洗濯物を干すという用途には使用していません。また、布団も面倒なのと花粉症で干しません。布団のホコリは布団掃除機を使用してきれいにしています。
そのため、2年住んでみて使用したのは1度のみ、テントを干したときだけです。
使わないくせに、メンテナンスはしっかり必要
ベランダは使用しませんが、年に1度年末の大掃除をするときには、ベランダを掃除します。
手すり部分には雨で汚れがつきます。床も雨で汚れや、飛んできている草などがたまるので、掃除が必要です。
年に1度しかやっていませんが、面積が結構あるので手間です。また外の雨や土の汚れなので家の中の掃除よりも大変。
さらにベランダには水道はないので、バケツに水を入れてベランダまで運んで掃除をしている状況。非常に手間がかかります。
まだ2年なので、防水施工のメンテナンスなどはしていませんが、そういったメンテナンスも、今後必要になるはず。そのことを考えると、筆者の場合、ベランダをつけたことは、失敗でした。
もともと不要だとわかっていたのに、なんとなく「つくろう!」と話を進め、気づけばあと戻りできずに、120万円の出費…。
どう使いたいかといった明確な目的があるなら、ベランダはあってもいいでしょう。しかし、それがなければ、「ベランダがあるのは当たり前」という常識すらも捨てて、家づくりをしたほうが幸せです。