郡上〜下呂の超絶ヘアピン解消!? 「濃飛横断道」堀越峠工区に「高度な技術力」投入へ
将来的には、福井〜郡上〜中津川の大ネットワークが形成されます。
観光都市どうしをスムーズに直結
2012年に先行開通した濃飛横断道「金山下呂道路」(画像:岐阜県)
国土交通省 岐阜国道事務所は2023年2月28日(火)、岐阜県下呂市内で構想される濃飛横断自動車道の堀越峠工区について、調査結果をまとめ、県に送付したと発表しました。また、3月3日には2023年度の新規事業化候補としてこの工区が選定され、いよいよ「GOサイン」目前となっています。
濃飛横断道は、郡上市から東進して下呂市の国道41号へ抜け、そこから南下して中津川市へ抜ける高規格道路です。福井からは郡上に向けて中部縦貫道「大野油坂道路」が工事中で、開通すれば福井〜郡上〜中津川という広域ネットワークが誕生します。
近年は、リニア中央新幹線の岐阜県駅(中津川)の開業を見据え、岐阜県内からのアクセス強化を図るため、濃飛横断道の整備の機運が高まっており、調査検討が活発化しています。
そのうち今回国が調査検討を行ったのは、郡上市から下呂市へつづく最初の急峻な峠「堀越峠」をトンネル主体で抜ける区間。現道の国道256号は、郡上市街を出るといきなり急斜面に張り付く6連続ヘアピンカーブが待ち受け、標高差は約300mに達する難所となっています。大雨で頻繁に通行止めが発生し、市境の和良地区はそのたびに孤立状態となっています。
堀越峠を抜けて和良地区を越えた下呂市側は、全長4877mの「ささゆりトンネル」を含む区間「和良金山道路・金山下呂道路」が先行開通済み。これにより、実質的に分断されていた郡上市と下呂市の市街地同士の移動は、格段にスムーズとなりました。堀越峠工区の開通で、いよいよ「恐ろしい山道」からは開放されることとなります。
調査では堀越峠の通過時間は16分も短縮すると試算されています。それに加えて、大型バスも通行しやすくなり、2つの観光都市を効率的に周遊できるようになることが期待されています。
いっぽうで調査では、当該区間の山は破砕帯や地すべり面が見られ、なかには地山内に空洞があるとの報告も。事前の解析や探査が必要となり、「高度な技術力を活用することにより事業実施が可能となる」と結んでいます。