もしも”忖度なし”で紅白出場アイドルを選ぶなら? 「『アイドルを辞める日』は『ヨイトマケの唄』の位置付け」「美川憲一×オードリー春日の再現を“二丁魁”で」アイドルオタク芸人・寺田寛明が震えた「神現場2022」
R-1グランプリ2年連続ファイナリストにして、暇さえあれば“現場”に顔を出すアイドルオタク芸人・寺田寛明。2022年の“神現場”を振り返り、“忖度なし”で紅白出場アイドルを選考する。(本家よろしく全50組を妄想する「寺田アイドル紅白歌合戦」のおまけ付き)
世が世なら乃木坂みたいな立ち位置に!?
アイドルオタク芸人の寺田寛明です。突然ですが、紅白歌合戦っていいですよね。何がいいかと言うと、人がたくさん出演するところ。人がたくさんいる催しは基本的に楽しいとされています。インドの電車とか。
みんな1曲しか歌えなくてかわいそうですが、音楽に疎い寺田としては、みんなが派手なパフォーマンスで勝負曲を披露してくれるので、あまり知らないアーティストでも意外と楽しめます。あと、紅白がなかったら三山ひろしとか知らなかったと思うし、この番組でしかない出会いがあるのも大きなメリットです。
寺田は真夏のアイドルフェスに行って、朝から晩まで10時間くらいアイドルを見るという修行をしています。ここでもやはり新しく刺さるグループをたくさん見つけることができます。普通の人からしたら、お目当てではないグループを大量に見るなんてことなかなかできないし、普通に暑くて死にます。
そこでいつも思うのが「この人たちの楽曲はレベルが高い」ということ。「こんなにすごいグループをこんな狭い会場で見ていいのか?」「世が世なら、乃木坂46みたいな売れている立ち位置になっていたのでは?」と思うアイドルがたくさんいるんです。2022年もそういうステージを生でたくさん見ました。
ということで、今年特に印象に残った“神現場”を振り返り、紅白に出てもおかしくない活躍を見せたアイドルを寺田の独断と偏見で紹介します。
2004年の「nobodyknows+」くらいカマせるアイドル
★「わーすた」 @Tokyo Idol Festivl 2022スカイステージ
今年は久々の夏開催となった「TIF」が楽しすぎて、3日間、朝から夜まで休憩一切なしでアイドルを見続けたのですが、その中で「強い」と思わされたステージが「わーすた」でした。
この現場で初めて見た「マッシュ・ド・アート」がスカイステージ(フジテレビ湾岸スタジオ屋上)の晴天にもマッチしていて、その光景が目に焼き付いてしまい、この日は僕だけパステルカラーのゆりかもめで帰りました。
もしも紅白に出場するなら…皆さん的にはやっぱり「いぬねこ。青春真っ盛り」が見たいと思いますが、新曲「すまん、犬」も歌詞がエグいので、ぜひそちらを。本家の紅白歌合戦で五木ひろしが「よこはま・たそがれ」じゃないあまり知らない新しめの曲を歌っているときのような気持ちで聴いてみてください。
★「Devil ANTHEM.」 @ワンマンライブ「でび野音祭2022」
8周年でようやく辿り着いた日比谷野音、というだけでも前代未聞のこと。人でいっぱいの客席や力の入ったオープニングから、不遇の時期やコロナ禍での頑張りを思ってうるっときてしまうくらい、エモであふれる現場だったのですが、そんなことを吹き飛ばすほどのパフォーマンスと楽曲のよさと演出のパワーで完璧なワンマンでした。ちなみに「ココロカラ」は僕がデビアンを好きになったきっかけの曲です。
もし紅白に出場するなら…メジャーデビューも決定したことですし、大御所よろしく、野音から中継で参加してほしいです。
★「MIC RAW RUGA」 @ワンマンライブ「PAY YOU BACK」
これに関しては見に行ったというか、寺田が芸人としてゲスト出演した現場なので書くかどうか迷ったのですが、間違いなくよかったので書きます。
HIPHOPアイドルグループなのですが、運営チームが「RHYMEBERRY」をやっていた方々で、「MAGIC PARTY」などの当時の曲も引き継いで歌っています。知名度はまだまだなのですが、間違いなくもっと評価されるべきグループです。
ラップのスキルだけ見ても相当ですが、メンバーのAKIRAさんは本家の紅白歌合戦に欅坂46のバックダンサーとして出場した経歴を持つほどのガチガチのダンサーで、グループ全体のダンスの熱量もすごいです。
もしも紅白に出場するなら…2004年の紅白で「nobodyknows+」がアウェイの空気のなか、NHKホールの静まりかえった観客に向けて、バチバチにカマしていたのと同じ現象を起こせるのではないかと思います。
2018年の宮本浩次くらい大暴れしてほしいアイドル
★BELLRING少女ハート'22 @???
2016年に解散してしまったベルハーが今年、期間限定で復活。どこで見たか失念してしまったのですが、「asthma」は令和の光景とは思えないほど感動的でした。アイドル界が元気を取り戻していく様をこの曲とともに見ていきたいです。
もしも紅白に出場するなら…2018年の紅白、「獣ゆく細道」の最後のほうの宮本浩次くらい大暴れしてほしいです。客席も含めて。
★「MAPA」 @「ギュウ農フェス秋のSP2022」
「アイドルを辞める日」という名曲すぎる名曲が誕生してしまいました。ポエトリーラップと言うんでしょうか。リリックの重みとバイブスが見事にマッチしていて、すごいメッセージソングです。曲中のパンチライン「Not business, We are culture」はタワレコの新しいキャッチコピーに使ってほしい。
もしも紅白に出場するなら…本家における美輪明宏「ヨイトマケの唄」のような位置付けになってほしいです。
★二丁目の魁カミングアウト @フリーイベント「生存戦略」
近所の越谷レイクタウンでやっていたフリーイベント「生存戦略」に二丁魁が来るというので見に行ったら、そこで見た「やめらんない!とまらない!」という曲があまりにも幸せすぎて、ショッピングモールの真ん中でぼろぼろ泣きながら踊っていました。
先ほどのMAPAの曲とは真逆と言えば真逆ですが、こちらはステージに立つ者のキラキラとした気持ちとファンへの思いを歌った曲です。二丁魁は振り付けと楽曲の楽しさはもちろんなのですが、ミキティ本物さんの書く歌詞が本当によくて好きなので、ぜひ歌詞付きのライブ映像を見てください。
もしも紅白に出場するなら…2009年の紅白で美川憲一が「蠍座の女」を歌うときになぜかオードリー春日が出てきて、おいしいところををすべて持っていく謎の演出がありましたが、そのぺいにゃむにゃむさんバージョンが見たいので、全然違うアイドルが歌っているときに出てきてほしいです。
もしも「寺田アイドル紅白歌合戦」を開催するなら…
このように実力はあるけど、まだまだ世に出ていないアイドルはたくさんいます。そうなると、「その年に爪痕を残したアイドルが勝負曲を1曲だけやる紅白みたいなイベント」が見てみたいですよね。
「恐ろしく効率が悪い」という理由で開催されることはないでしょうが、一度でいいから見てみたいものです。そんなわけで、「寺田アイドル紅白歌合戦」を開催したらどうなるのかを妄想したいと思います。
2022年に寺田が“食らった”アイドルと楽曲をベースにセットリストを作ってみました。紅白の組み分けにあまり意味はありませんが、マッチメイクのような状態にしてあります。順番も含めて丁寧に組んだので、最後まで楽しんでいただけたらうれしいです。
<紅> ukka 「エビ・バディ・ワナ・ビー」
<白> バンドじゃないもん! 「MAXX NAKAYOSHI 君の笑顔で世界がやばい」
<紅> グデイ 「good day!!!」
<白> カノサレ 「泣き虫レインドロップス」
<紅> ピューパ!! 「border」
<白> 963 「lumen」
<紅> fishbowl 「半分」
<白> きのホ。 「桃源京」
<紅> PANDAMIC 「(168)日のサマー」
<白> RABBIT HUTCH 「さいこう」
<紅> B.O.L.T 「Please Together」
<白> ミームトーキョー 「レトロフューチャー」
<紅> フィロソフィーのダンス 「好感度あげたい!」
<白> Negicco 「ねえバーディア」
<紅> SANDAL TELEPHONE 「Follow You Follow Me」
<白> nanoCUNE 「嘘つきライアン」
<紅> 美味しい曖昧 「角砂糖とセイロン」
<白> Hullaballo 「アンドゥトロワ」
<紅> MIGMA SHELTER 「Coro Da Noite」
<白> Farewell, My L.U.V 「NAGOYA ZOO」
<紅> layn 「雨乞いダンス」
<白> 開歌-かいか- 「Secret Summer」
<紅> SPECIAL CHEESE MENU 「YAGI」
<白> MIC RAW RUGA 「MAGIC PAYTY」
特別企画も目が離せない「寺田アイドル紅白歌合戦」(妄想)
<紅> わーすた 「マッシュ・ド・アート」
<白> 虹のコンキスタドール 「ぴくしぶおんど」
<紅> かすみ草とステラ 「正夢の少女」
<白> IDOLATER 「まほうのカギを手に入れたら」
<紅> アップアップガールズ(仮) 「アッパーレー」
<白> 夢みるアドレセンス 「メロンソーダ」
<紅> Devil ANTHEM. 「ココロカラ」
<白> 真っ白なキャンバス 「ポイポイパッ」
<紅> NUANCE 「ミライサーカス」
<白> tipToe. 「ひとりごと」
<紅> ≠ME 「てゆーか、みるてんって何?」
<白> 超ときめき♡宣伝部 「すきっ!」
<紅> Task have Fun 「3WD」
<白> FES☆TIVE 「OIDEMASE!! ~極楽~」
<紅> situasion 「THE YEAR」
<白> INUWASI 「Planetes」
<紅> Appare! 「原宿サニーデイ」
<白> BPM15 「はくちゅーむ」
<紅> MAPA 「アイドルを辞める日」
<白> 二丁目の魁カミングアウト 「やめらんない!とまらない!」
<特別企画>
amiinA × sora tob sakana
ルネビット 「夏の決心 真夏の天体観測」
にしたんクリニック 「タンバリンダンス選手権」
DDT路上プロレス
アームレスリング大会
BELLRING少女ハート'22 × BELLRING少女ハート 「asthma」
「寺田アイドル紅白歌合戦」出場歌手・曲目リスト
撮影/キンマサタカ