リノベ会社社員の自宅マンション拝見。アンティークが似合う和モダン空間
リノベーションのプロの家には、これから来そうなデザインや斬新なアイデアにあふれています。紹介するのは、リノベーション会社に勤務するクリエイティブディレクター・古久保拓也さんの自宅マンションです。専有面積は約91�屐９腓錣擦凸�60�屬發△襪佞燭弔離丱襯灰法爾飽呂泙譴振�間は、アンティーク家具が似合う和モダンテイストです。
家族が増えたことで、2回目のマンションリノベに挑戦
●この家のプロフィール
・古久保さんの家
・家族構成：夫婦 子ども1人
・築年数：41年（1981年築） 専有面積：約91��
グラフィックデザイナーやアンティークのバイヤーを経て、2014年にリノベーション会社の「リノべる。」に入社した古久保さん。約91�屬箸いβ膓�間を、和のエッセンスも感じられる住まいにリノベーションし、大好きなアンティーク家具とともに暮らしています。
写真はリビングダイニングで子どもとくつろぐ古久保さん。モノトーンでまとめたの内装は、シンプルに見えてこだわりが。とくに印象的なのは、かなり幅の狭い無垢材をランダムに張った床です。
「施工が大変で大工さん泣かせだったんですけど、どうしてもやりたかったんです」（古久保さん）
中古マンションを購入してリノベしたのは、じつは2回目。家族が増えたことで以前の住まいが手狭になり、同じエリアで新居を求めました。長男が保育園を転園せずにすむことと、最低でも70�岼幣紊旅�さが新居の条件でした。
探し始めてすぐ条件に合う物件に出会ったものの、前の住まいの売却時期の関係でプランニングは急ぎ足に。
間取り（リノベーション前後）
リノベーション前
リノベーション後
マンションの竣工年は1981年、専有面積は約91�屐９腓錣擦凸�60�屬發△襪佞燭弔離丱襯灰法爾飽呂泙譴拭�開口の多い4LDKを2LDK＋納戸＋大容量のウォークインクローゼットに。
「寝室、ワークスペース、子ども部屋、ウォークインクローゼット が欲しかったのと、構造壁がある関係で、自然とこの間取りになりました」（古久保さん）。
以前住んでいた家のダイニングキッチンとサニタリー。「前の家も同じような雰囲気のインテリアでした」（古久保さん）。広さは約55�屬肇灰鵐僖�トで、お気に入りのイスや家具をゆったり置けなかったそう。
住み始めてからも家いじりを楽しむ
「約1か月でプランニングを行い、細部は工事を進めながら決めていくというなかなかハードなスケジュールでした」（古久保さん）。入居してからも、ライフスタイルや長男の成長に合わせながら、各スペースに少しずつ手を入れています。
「最近ではLDの壁にあるニッチの奥行きを深くしたり、ダイニングの壁を塗ったりしました。友人に手伝ってもらうこともあるし、大工さんにお願いすることも。今はワークスペースを子ども部屋にしようと、壁の位置を変えたり、収納場所を大移動させたり、少しずつ計画を進めているところです」（古久保さん）。
妻の個室を兼ねた独立型のキッチン
構造壁がある関係で、キッチンは独立型に。ダイニングとは床材を替えてゾーニングしています。
白を基調としたキッチンは収納が豊富。収納をたくさんつくってもまだスペースがあったので、窓際に妻のための作業台を造作。キッチンは妻の個室にもなっています。
ダイニングの床はタイル貼りにするつもりでしたが、リビングと同じフローリングにして広がりをもたせました。
ほどよくこもれて収納力もあるワークスペース
友人から引き継いだピエール・ジャンヌレのチーク材のデスクを愛用。背面にはラーチ合板で、オープンな収納スペースをつくりました。「この部屋はいずれ子ども部屋に改造したいと思っています」（古久保さん）。
天井まである本棚。インテリアやデザインに関する書籍や雑誌がすらりと並びます。
ワークスペース入り口のドアは、閉めるとリビングダイニングの壁と一体化して見えます。
インダストリアルな雰囲気の玄関土間
共用廊下に面した窓があるため、玄関土間にはほどよく光が届きます。「初めは玄関土間を設ける予定はなかったのですが、防災用品や自転車などの大物をラフに置けて便利ですね」。
玄関横のウォークインクローゼット。床は玄関土間と同じムラのあるライトグレーのモルタル仕上げ。衣類のほか、日用品や家族の荷物をすべて収めています。
「いずれはここを僕のワークスペースにして、現在のワークスペースを子ども部屋にする予定です」（古久保さん）。
廊下の天井にはデザイナーの提案でバー状のライトを採用。天井にバウンドした光が、ほどよく廊下を照らします。
リビングダイニングへと誘う廊下は、アートや間接照明でシックに。廊下沿いの扉はすべて壁と同じ仕上げにしました。
サニタリーは位置は変えずに設備と内装を一新
妻の「水だまりができないシームレスな洗面台を」という希望から、カウンターと洗面ボウルが一体型の機能的なタイプのもの選びました。生活感の出やすい日用品は、すべて大型のミラーキャビネットに。
トイレにはバー状の間接照明を設置。
古久保さんに6つの質問
Q1 好きなイス、家具は？
A.普段使っているイスでは、以下の6つです。
ジョージ ナカシマのラウンジチェア。
マルセル・ワンダースによる、ロープを結んでつくられたノッテッドチェア。
もともとは電話用スツールとしてデザインされたザノッタの「セラ」。
イームズのワイヤーチェア3 脚のパーツをDIYで組み合わせて完成させたイス。
ピエール・ジャンヌレのコミッティーチェア。
オークションで落札したアルヴァ・アアルトのテーブル＆チェア。テーブルはかなりレアです。
Q2 宝物、大切にしているものは？
A.インテリア雑誌mobilia中の広告など、当時の使われ方を参考にしています。
ほかでは古本屋で見つけた1960〜70年代の写真雑誌は大事に保管しています。
家の守り神の巨大ウミウチワ。いまでは採取も禁止になっているため貴重なものです。引っ越しのたびに少しずつ小さくなっています。
ベント・カールビーによるデザイン北欧の照明。あまり明るくはないけれど陰影が美しい。
イギリスで手に入れた金属製の靴の型も大切にしています。
Q3 リノベで取り入れた、お気に入りディテールは？
A.廊下やサニタリーに採用しているバー状の照明はデザイナーが提案してくれたもので、すごく気に入ってます。LDでも使いたかったのですが、暗すぎて断念しました。
伝わりにくいけれど、壁のコーナー。あえて壁から少しはみ出たままにした躯体もお気に入りです。
意図せず出たムラ感のあるモルタルが、味わい深い玄関土間の床。
幅の狭いオーク＆ヒッコリーをランダムに張った、リビングダイニングのフローリング。
木の凹凸を出したうづくり仕上げのLD の壁も。
Q4 家事や育児にはどう関わっていますか？
A.毎朝、保育園まで送るのは僕の役目なのですが、ほかは妻に頼りきりですね。休日は子どもと一緒に近所の公園に行ったり、たまにふたりでちょっと遠出したりもします。
外出先でいいなと思うイスに出会ったら、子どもを座らせて写真を撮るのがお約束。はじめからイス目的で出かけることもありますが、それだと確実に妻は一緒に来てくれないですね（笑）。
Q5 家は「賃貸か、購入か」についてどう思う？
A.家に対して払うお金でいうと、購入したほうが安くすむことが多いのではないでしょうか。でも、僕が今住んでいるような築40年で管理状況が良好なマンションを買ったとしても、いつか建て替えが必要になり、予想外の出費が発生する可能性も。
だから「家は一生もの」「終の住処」と気負いすぎず、賃貸でも購入でも、暮らしや家族に合わせて変化できる余裕を持っておくといいと思います。
Q6 最後にリノベ検討中の人にアドバイスは？
一度のリノベで全部やりきれなくてもいい。「追加工事やDIYもアリ」と思えば、リノベも未来の暮らしももっと楽しくなりますよ。
