誘導員にバスが導かれていた光景は全く思い出せなくなるかも。

駅から石神井公園への商店街が変わる

 狭い商店街のなかを路線バスが誘導員に導かれながらソロソロと通行していた、西武池袋線「石神井公園駅南口」(東京都練馬区)、その光景が大きく変化する見込みです。


かつてバスが走っていた石神井公園南口の商店街。このあたりが再開発され、都市計画道路と複合施設が建設される(中島洋平撮影)。

 東京都が2022年9月、石神井公園駅南口西地区市街地再開発組合の設立を認可しました。駅から石神井公園へ通じる商店街の開発計画が動き出します。

 現在は、石神井公園駅南口から西に向かって、16m幅の都市計画道路が狭まり、商店街が始まります。この商店街の入口付近に、都市計画道路の延伸ならびに道路を挟んで2つの複合施設が建設されます。

 道路の北側に作られる「北地区」の施設は、地上26階建ての高さ約100m、南側の「南街区」は9階建ての高さ約35mです。北街区は住居、公益施設、店舗、地下駐車場など、南街区は住居、事務所、店舗からなります。このほか広場なども設けられる予定です。

 この商店街の道路は2021年3月まで、駅南口を発着する路線バス(西武バス、関東バス)の経路で、狭隘なうえ人通りも多く、途中の直角交差点は見通しが悪いことから誘導員が常駐してバスを誘導していました。石神井公園バス停から、駅南口に通じる補助132号線が開通したことで、路線バスはそちらを経由するようになりました。

 再開発は、歩行者空間や地域拠点の形成、土地の統合や建築物の共同化・不燃化等による防災性の向上などが目的とされています。工事着手は2024年4月、建物の竣工は2027年3月の予定です。