憧れのマイホーム。自分の思い描いた暮らしを実現するよう、こだわれるのが魅力ですよね。でもしっかり計画を立てたものの、いざ住んでみると、「こうしておけばよかった」という後悔も生まれることも…。整理収納アドバイザー2級の資格を持つライターの小林ユリさんが実家の戸建てのリノベーションをして後悔したことを教えてくれました。

確認不足が招いた失敗点。マイホームで後悔している5つの箇所

「家は3回建てないと理想の家にならない」と聞いたことがあります。しっかりと打ち合わせをしても「あ、失敗した…」「思っていたイメージと違う」となることも。私は今回初めてのマイホーム計画だったので、自分なりにはかなり気を使って打ち合わせを進めたのですが、やはり失敗してしまった箇所もあります。

せっかく大金をかけるのだから、後悔はできるだけ少ないほうがよいに決まっています。理想の家を手に入れるには、どのような箇所に注意すればよいのでしょうか。今回は夢のマイホーム計画において、私が見落としていた箇所についてお話しします。

 

●電源や家電のサイズは大丈夫?細かい部分は意外と見落としがち

私はライターという仕事柄、誰かのお家を拝見することが多いんです。注文住宅で建てた新築のお宅にお邪魔して取材することもあれば、中古のマンションをおしゃれにリノベーションしたお宅にお邪魔することもあります。そのため便利な設備や使い勝手のよい動線などにも、ある程度馴染みがありました。

使い勝手を上げるため、自分の中にある知識をフル活用して打ち合わせを進めたおかげで、狭いながらも部屋の使い勝手にはけっこう満足しています。

ただ完成してみると、間取りや生活動線以外にも重要な部分があったことに気がつきました。それが採光や照明、家電の設置に関する項目です。というのも、打ち合わせでは「採光量が足りず、法律に引っかかる」ような場合をのぞき、部屋の明るさへの細かなアドバイスをもらえないこともあるからです。

SNSや雑誌で部屋のインテリアや間取り、動線までは完璧にリサーチしているという方も、このあたりは意外と見落としがちな部分なのではないかと思います。

 

●後悔その1 LANの置き場所を確認すればよかった

在宅勤務やテレワークをするのにインターネット環境は必須ですよね。

マイホームの打ち合わせ時にインターネットを使用して仕事をしている旨の話はしてあったので、てっきりワークスペースにWi-Fiルーターを設置する場所をつくってもらえるものだと思って、確認を怠ってしまいました。ですが、完成してみるとワークスペースにはWi-Fiルーター置き場が設けられていませんでした。

結局、わが家のWi-Fiルーターはリビングに設置することになりました…。

 

●後悔その2 せっかくつけた採光用の窓の位置をもう少し考えればよかった

ワークスペースの天井付近に採光用のFIX窓を設置したので、明るい部屋になると思っていたのですが、実際にはデスク上に設けた本棚のせいで思った以上に採光が遮られてしまいます。採光がどの程度遮られてしまうかについて、素人には想像が難しいと感じました。採光量の計算や、光が差し込む位置について、設計の段階でイラストなどを用いて説明してもらうことをおすすめします。

せめて本棚の下部分にライトを設置してもらえばよかったと後悔しています。

●後悔その3 エアコンの取りつけ位置に余裕を持たせてもらえばよかった

ワークスペースに設置するエアコンは古い家から持ち込みたかったので、本体サイズとルーバーの幅を伝えて設計してもらいました。

しかし、完成してみると本棚とエアコンがギリギリの位置に設置されていました。設計士さんに聞いたところ、エアコン本体への負担や冷暖房の効き目に問題はないそうですが、設置場所がギリギリなので、家電量販店の業者から「エアコンや棚に傷を付けてはいけないので設置を請け負うことはできない」と断られてしまいました。今回はリノベーション工事をお願いしたホームメーカーの紹介で電気業者を手配してもらえましたが、次にエアコンを買い換えるときにはどうしたものかと、今から少しドキドキしています。

 

●後悔その4 寝室の電気のスイッチをベッドサイドにもつければよかった

わが家ではシーリングよりも掃除がラクそうだからという理由で、すべての部屋の電気をダウンライトにしました。掃除の面からすると、たしかにとてもラクです。しかしダウンライトって基本的にスイッチが一箇所にしかないんですよね。寝室の入り口にスイッチがあるのですが、それだとベッドに入ってから手元で電気を消すことができません。今まではリモコンつきのシーリングだったので、電気をつけたり消したりするためだけにベッドから出なければならないのは地味にストレスでした。

 

●後悔その5 WICにコンセントとルンバ基地をつけておけばよかった

WIC(ウォークインクローゼット)って、服がたくさん集結しているからなのか、けっこうホコリが溜まりやすい気がします。それに、一日のうちに何時間も過ごす場所ではないので、ルンバも設置しやすかったのではないだろうかということに、生活していてやっと気づきました。でも、時すでに遅し。後悔先に立たず。結局ルンバは玄関で待機させることになりました。

 

●明るさに関することは「建築士の意見を聞く」のがおすすめ

こだわったワークスペースは、使い勝手をしっかりと考えて部屋をつくったので、たった2畳程度でも思ったほど狭いとは感じません。基本的には時間を忘れて何時間も仕事に没頭してしまうくらい居心地のよさを感じられる部屋になっています。ですが、時間をかけて自分の行動や癖を分析して部屋をデザインしたにも関わらず、実際に使ってみると「使いにくい」「こうしておけばよかった」と思う部分もでてきました。

採光や照明、家電の使い勝手などは細かいながらも生活の満足度を大きく左右する大切な要素です。しかしながら、このあたりは素人ではなかなかイメージがしにくい部分なので、打ち合わせのときに建築士の意見を聞くなどの工夫を取り入れてみるとよいと思います。

理想のマイホームを手に入れるためには、プロの意見と知見を上手に活用することが後悔を少なくするポイントになるのではないでしょうか。