楽天・田中将大 (C) Kyodo News

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● 巨人 3 − 4 楽天 ○

<オープン戦・東京ドーム>

 楽天が巨人との接戦を制し、オープン戦は3分けを挟んで8連勝でフィニッシュ。4日後となったシーズン開幕へ弾みをつけた。

 先発の田中将は2本のソロ本塁打を浴びたものの6回2失点とゲームメイク。復帰2年目のオープン戦を防御率2.57で終えた。打線は8回、新外国人のマルモレホスに待望の来日初アーチ。同点の9回は途中出場の田中和が左中間突破の適時三塁打を放ち決勝点を奪った。

 16試合を消化したオープン戦は、11勝2敗3分けで球団初の1位フィニッシュ。日本一に輝いた2013年シーズン以来、9年ぶりのリーグ優勝へ弾みをつけた。

◆ 弓削、小峯らが台頭、ドラ2捕手の安田は守備面も安定

 オープン期間は投手陣の安定感が顕著で、チーム防御率は12球団1位の2.09。最多失点は7点を失った2月27日の中日戦(沖縄・北谷)で、次戦となった3月4日の阪神戦(甲子園)以降は、14試合連続3失点以下のままオープン戦を終えた。

 今年も先発ローテの軸として期待される則本、田中将、岸、瀧中、早川は順調にイニングを増やし、抑えの松井裕は6試合連続無失点。中継ぎのブセニッツ、安樂、弓削も6戦連続無失点のままオープン戦を終え、ドラフト6位の西垣、支配下昇格を果たした小峯らも好リリーフを重ね、ブルペン陣はかなり若返った。

 打線では日本ハムから移籍してきた西川が打率.364、出塁率.512をマーク。昨季不在だったリードオフマンにガッチリとハマった。西川加入が起爆剤になったのか、外野手登録の面々も猛アピール。一塁手を兼ねる和田は、キャンプ中の実戦からアーチを重ねオープン戦を打率.366で終えた。田中和や小郷も要所でアピール。辰己は下半身のコンディション不良で出遅れる形となったが、小深田や渡邊佳も外野での出場をうかがっており競争レベルは各段に上がった。

 開幕戦でのスタメンマスクが濃厚なドラフト2位捕手の安田も楽しみな存在。キャンプ中の実戦では豪快な打撃に注目が集まっていたが、安定感のあるキャッチングやブロッキングなど、守りの評価も日に日に上昇。2月の練習試合から矢のような盗塁阻止を連発するなど捕手として総合力が高い。

 投打とも若手の台頭が目立ち、実績組もオープン戦の中で順調に調整を重ねてきた楽天。3月中旬から実戦に加わったマルモレホスとギッテンスはしばらくファーム調整になる見込みだが、じっくりアジャスト期間を設けられるのも現有戦力の底上げがあってこそ。初のオープン戦王者で迎える楽天の新シーズンが楽しみだ。