もしかして自分は完璧主義者かもしれないと疑った経験はありませんか? 他人の仕事ぶりが気になり、必要以上に疲れる人は完璧主義者かもしれません。 完璧主義者の特徴からメリットやデメリット、完璧主義を活かす方法をご紹介します。 

完璧主義者ってどんな人?特徴はコレ!

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完璧主義者とは、具体的にどのような人を指すのでしょうか。代表的な三つの特徴をご紹介します。

中途半端や妥協が許せない

完璧主義者は、物事や人物に対して完璧な状態を求めます。常に最高の完成度を目指し、自分のもてる力を最大限に発揮できるよう獅子奮闘するからです。

完璧主義者にとっては、小さなミスも許せないという信念があります。他人の失敗をみつけようものなら、細かく軌道修正をします。ルールを守り、真面目一辺倒なので、不正やズルして成果をあげるというのは許せません。

中途半端な状態で仕事を提出したり、妥協してプロジェクトを進めたりするのは自分の信念や信条に反することになるため、周りを巻き込んででも完璧を追い求めようとします。

理想が高くこだわりが強い

完璧主義者は、理想が高くこだわりも強い傾向があります。ハードな目標に向かって努力する真面目さと向上心があるためです。

例えば、完璧主義者ではない人が課題を提出しようとすると、何もミスのない状態まで持って行こうとするのは非常に労力と時間がかかるため、途中の状態でも助言や確認のために提出します。

しかし、完璧主義者の人は「自力でやり遂げたい」という理想が大きいため、完成品に近い状態まで誰かに助言を求めたり、途中でやり方を変えたりはしません。

承認欲求が強く周囲に認められたい

完璧主義者は承認欲求が強い傾向があります。 例えば、幼少期にあまり褒めてもらえない状況で良い成績をとるときだけ褒められれば、「次はもっと良い点をとろう」と頑張ります。

その感情が過剰に行き過ぎると、「完璧でなければ認めてもらえない」と思い込んでしまうのです。

そもそも完璧主義者が求める『完璧な状態』とは、周りの評価なくして完成しません。完璧な完成品への評価が、自分自身の価値そのものであるという心理が働いているのです。完全なものを作り上げて周りに認めてもらいたい承認欲求が、完璧主義者の特徴の一つです。

完璧主義者のデメリットは?

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自身や周囲ともに完璧を求める完璧主義者のデメリットとは、どのようなことでしょうか。具体的に解説していきます。 

周囲にも完璧を求めてしまう

仕事や学校など、社会で生きている以上、1人ですべてを完結させることは不可能です。とくに仕事は提出物や結果がダイレクトに自らの評価・評判に直結するため、完璧主義者は他人にも半端を許しません。

細かいところまで目がよく行き届くため、他人のミスにも気付きやすいのです。仕事全体のクオリティは上がりますが、そのぶんミスを繰り返されることにイライラしてしまい、余裕がなくなってしまいます。

人はミスをするものです。それは完璧主義者の人も同じはずですが、他人のミスの方が見つけやすいので、他人に対してのフラストレーションは続くことでしょう。同じ職場で働く人からは、距離を置かれがちになってしまいます。

完璧にできないと分かると投げ出してしまう

完璧主義者はプライドや理想が高く、成功しなければ自分自身に大きな傷がつくと考えています。その思考から、「完璧に仕上がらないなら仕事をやめてしまう」という、一見真反対の行動をとることがあるのです。

仕事や人間は、決して思う通りに進みません。柔軟に方向転換をすることや足りない点を補ってとりあえずやってみるということが出来ないため、「失敗するならやる意味がない」と極端な思考に陥ってしまうのです。

必ずしも、完璧な状態まで頑張る必要はありません。平均でもいいんだという判断基準を持たないと、自分自身を追い詰める結果につながってしまいます。

完璧主義者のメリットとは

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デメリットの多そうな完璧主義者ですが、完璧主義者だからこそのメリットもたくさんあります。具体的な例をみていきましよう。

計画的に物事を進めて質の高い結果を出せる

完璧主義者は物事を計画的に仕上げていくのを得意とし、自己管理能力に優れています。タスクをピックアップし、スケジュールへ落とし込むことで目的達成へ段取りよく物事をすすめられるのです。

ただ完成品を作り上げるだけでなく、独自のこだわりや「より完璧なものを」という向上心から、依頼主が思ってもみなかったような高品質の結果を生み出すことができます。

その時々のモチベーションや気分に左右されることもなく、常に高い成果を出し続けられるのも完璧主義者の強みです。

責任感があり努力家のため周囲に信頼される

完璧主義者は責任感も強く、他人では遂行するのが難しいプロジェクトや業務も持ち前の丁寧さでクリアすることができます。自分の地位や現状に気を緩めることなく精進し続ける努力家なので、周りからの信頼は厚いことでしょう。

仕事では、失敗が許されないシビアな場面がたびたび襲ってくることも少なくありません。周りからのプレッシャーやプライベートでの失敗・不安など、仕事をするのが難しいモチベーションでも、完璧主義者の人は目の前の仕事に真摯に取り組みます。

頼りになるその姿に、大きな事業のリーダーを任されることもあるでしょう。後輩や同僚からの憧れや尊敬も集めやすく、「あの人に任せていれば安心だ」と信頼を寄せられやすいことも特徴です。

疲れるほどの完璧主義者をやめる方法

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完璧主義者は、周りがうらやむ輝かしい資質をたくさん持っています。しかし、完璧主義者ゆえに周囲とのトラブルが起きたり、自分への妥協が許せず疲れたりすることもあるでしょう。疲れるほどの完璧主義者をやわらげる方法を三つ紹介します。

周囲に任せたり頼ったりすることを覚える

人は完璧ではない生き物です。眠ければ文字を読み違え、イライラすれば人に当たることもあるでしょう。完璧主義者の人は、まず「人はミスをする、だからこそ助け合い、頼り合う」という『支え合い』を覚えましょう。

完璧主義者の人はミスや失敗を恐れるがあまり、他人を信用できていません。結果的に1人ですべてを抱え込み、パンクしてしまいそうになっていませんか。つらい、きついと感じるようなら、少しずつでも他の人の手を借りましょう。

できないことは恥ではありません。助けをお願いすることは情けないことではないのです。 頼ったからといって、自分の評価が下がるわけでもありません。思い切って他人に任せ、自分の負担を減らしてみましょう。

失敗を極度に恐れない

完璧主義者の人は、一度のミスが命取りであるかのような感覚を持っている人も少なくありません。しかし、実際は一度や二度のミスで会社をクビになることも、人事の評価が極端に落とされることもありません。

むしろ、失敗やミスはそこから大きな成功につながる可能性を秘めているのです。完璧にプログラミングされたコンピューターにも、バグはあります。予想も出来ない失敗を恐れるより、「失敗はあるもの」と受け入れる姿勢が必要です。

完璧を目指すことは、誰にでもできることではありません。その粘り強さとこだわりは、他人が真似できない美徳です。失敗を柔軟に前向きな思考へと切り替えることができれば、他人のミスにも笑って対応できるおおらかさを手に入れることができるでしょう。

満点ではなく合格点を設定する

まずは、及第点でもいいので「ここまで到達したらよしとする」という合格ラインを決めましょう。100点満点を目指すのは大切なことですが、時間は有限のため、いつまでも一つの仕事をやり続けるわけにはいきません。

期限を決めないと、いつまでもこだわり続けることができてしまいます。一定の時間を区切って集中的作業と休憩を繰り返す「ポモドーロ・テクニック」という方法も有効的です。

特に子育てや家事、部下の育成のように、正解のない物事に関してはゴールが不明確のため、頑張っても満足できない状態になってしまいます。掃除は15分で終了させる、課題は一つこなせたら合格にするなど、ハードルは低く、ゆるめな合格ラインを決めましょう。 

まとめ

完璧主義者の人は、自分ができてしまうからこそ、周囲にも完璧を求めてしまう傾向があります。しかし、良い面もたくさん持っています。

計画的に物事をすすめ、他者からも信頼が厚い完璧主義者のメリットを活かしつつ、及第点を覚えましょう。周囲に協力をお願いしながら、完璧を求めすぎないことで 、自分が疲れない本物の完璧主義者になることができるでしょう。