65歳から年金をもらい始め、現在もパートで働き続けているショコラさんは、その等身大の暮らしぶりをつづったブログ「60代一人暮らし 大切にしたいこと」で知られるようになりました。そのほがらかでのびのびとした暮らしぶりの秘密に迫ります。

60代一人暮らしの心豊かに暮らすお金のルール

40代の初めに別居して一人暮らしを開始。57歳で離婚するまで、正社員としてキャリアを磨きながら、息子さんたちが高校を卒業するまでは元の家に通って夕食の支度やお弁当づくりを続けていたというショコラさん。それだけ聞くと、相当大変だったのでは?と思われますが。

ショコラさん宅のコンパクトで使いやすいキッチン<写真>

「それはもちろん、大変でしたよ。いつも時間に追われていたし、仕事は忙しいし。だけど、息子たちにご飯をつくってあげられて、一緒に食べて、笑って、家に帰る。そのルーティーンが私の元気の元でしたから」

現在は、すっかり成人し独立した息子さんたちの実家に近い分譲マンションに一人暮らしです。その住宅ローンも10年ほどで完済!

「40代からずっと、決して贅沢はしてきませんでした。というより、できませんでした。働いたお金は少しでも貯めておいてローン返済に回したし、息子たちの学費も負担していましたし。それでも自分らしく、過度な我慢をすることなく続けられる暮らしをさぐりつづけて、今に至ります」

●ものを買うときの大きなルールは3つだけ

ショコラさんがものを買うとき、何かを決断するとき、考えていることは次の3つだといいます。

・身の丈に合っているか

・無理はしていないか

・それは好きなことか

「インテリアもファッションも大好き。もちろん贅沢はできないけれど、好きなことは諦めたくない! 今の時代はネットもあるし、世の中にはいろんな解決策があふれています。少し考えて、できる範囲で自分なりの工夫をすれば、お金をかけなくても楽しめるんです」

一つひとつのルールを見てみましょう。

 

(1) 身の丈に合っているか

たとえばキッチン。小さなカウンターつきキッチンですが真ん中に立てば、冷蔵庫にもガス台にも収納にも手が届く。お鍋も小さなミルクパンやフライパンがあれば十分。お酢やお酒、しょうゆなどの調味料は、引き出し式の収納に収まるミニサイズを100円ショップで。「割高かもしれないけれど、おいしいうちに使いきる。だからストックはしません」

 

お鍋や食器類も使う分だけ。特に食器は、家に来るのはほとんど息子さんたちなので3セットずつ。

「数は少ないです。でも、イッタラやアラビアなど、大好きなブランドのものばかり。新しく買うときは、用途や大きさ、重さをじっくり吟味して選びます。もう重たいものは扱えないですから」

 

(2) 無理はしていないか

若いころからファッションが大好き。30代のころに夢中で読んだファッション雑誌は今もとってあって、スタイルの参考に。

「年をとっても、ファッションの傾向は変わりません。もう自分に似合うものもわかっているから流行を追う必要もなし。自分なりに予算を決めて(一着5000円目安)、メルカリやヤフオクをじっくり探して、選び抜いて買います」

 

(3) それは好きなことか

好きじゃなければ続かない! たとえばお金の管理もそうです。いつ・どこから・いくら入ってくるかはある程度決まっているし、月々いくらかかるか、自分なりの予算もわかっています。細かい家計簿をつけるのはもうやめにして、覚えておきたいことだけノートに書くようにしました。

「メルカリやヤフオクで物を売ったり買ったり。その出納はつけています。服を手放すときも、いつ・いくらで買ったのかわかりますし。旅をしたらいくら使ったか、何を買ったか、誰とどこへ行ったか。日記感覚で楽しいです」

●お金は「固定費」と「変動費」に分けて管理

ショコラさんのお金の管理はゲーム感覚です。

【固定費】毎月決まって引き落とされるもの

住居費(マンションの管理費など)

固定資産税(月割り計算してプール)

水光熱費

通信費(固定電話とスマホ)

交通費

民間保険料(都民共済とがん保険)

などをざっくり合計すると6万円

 

【変動費】

食費(予算2万円/月)

ファッション・美容費(予算1万2000円/月)

日用品

交際費

医療費

趣味・娯楽(外食費はここに含む)

これらもざっくり合計で6万円

あわせて12万円で暮らすように。

 

さらに…

「お財布を食費用(食材買い物用)とその他に、2万円と4万円の2つ、別々に。もし、ネット決済やカードで買い物をしたら、費目に合わせてそれぞれのお財布から銀行へ移す。月末が来たらリセット。前月いくらか余ったら、その月はその分、ちょっと贅沢できるんです(笑)」

どれもこれも、自分なりにトライしてみてたどりついた工夫ばかり。節約のし過ぎや管理の細かさでストレスをためるより、無理なく楽しく続けられることを探した結果です。