50代になると、今後の人生のことを考え始める人も多いですよね。老後に向けて、暮らしを見直してみるのはいかがでしょうか。今回は、現在60代、カナダ在住のミニマリストでブロガーの筆子さんに「50代でやってよかったこと」を教えてもらいました。

ミニマリストが実感する「50代でやってよかった」こと

今回は、自分にとって心地よいミニマルな暮らしをおくる中で、50代のときに「やっておいてよかった」と思うことを5つ紹介します。

ミニマリスト筆子さんが実践する朝のルーティン<写真>

 

●1.ミニマルライフにしたこと

ミニマルライフとは、必要なものだけを持って暮らす、いわゆる「持たない暮らし」です。私はもともとシンプルライフ指向で、20代後半から、リバウンドしながらも、ずっとものを減らし続けてきました。

40代の半ばすぎには、かなりものの少ない生活になっていたと思います。しかし、まだ、あまり着ない衣類、ほとんど使っていない雑貨、読まない本など、死蔵品がたくさんありました。

そんなとき、アメリカのブログでミニマリストの存在を知り、ミニマルに暮らそうと決めました。

50歳になる年の正月から、さらにものを減らし始め、これまでとはひとつ次元の違うシンプルライフを開始しました。

その結果、大量生産・大量消費があたりまえの生活様式から、距離を置くことができ、とてもよかったと感じています。

それまでは、事前のリサーチも含めて、買い物にかなりの時間とエネルギーを使い、買ったあとも、ものの管理にふりまわされていましたが、ミニマルライフにしたら、こうした行動をしなくてもよくなりました。

時間とお金と心に余裕ができたのです。

この生活がとても気に入っているので、今も継続しています。

 

●2.運動を始めたこと

50歳の半ばにスロージョギングを始め、今も続けています。

私はもともと運動嫌いで、学校を卒業してから、スポーツはしていませんでした。ときどき、散歩する程度です。

2009年(50歳になる年)に、All about ガイドの「シンプルライフ」というメールマガジンでスロージョギングのことを知り、試しに走ってみたら、普通に30分走ることができて、驚きました。以来、毎朝1時間ほど、スロージョギングをしています。

50代半ばからは、朝、自宅でスクワットやストレッチをやるようにもなりました。

カナダはとても寒く、春先も、昼間いったん溶けた雪が、夜中に凍りついて路面がつるつるになってしまい、走るには適さない日もたくさんあります。

そんな日は、ミニトランポリンをしています。ミニトランポリンは54歳から始めました。

めったに風邪をひかなくなったのが、運動を始めたいちばんのメリットです。

 

●3.お金の管理を始めた

私はお金のことを考えるのが嫌いで、ずっとどんぶり勘定で生きてきました。シンプルライフの指南本を読んでいても、お金の話はすっ飛ばしていたのです。

しかし、50歳の誕生日に、貯金がほとんどない現実に直面し、「これはまずい」と思いました。私は、歯が悪く、治療にお金がかかっていたし、ゆくゆくは、娘の大学進学費用も工面しなければならないという状況でした(当時娘は13歳)。

そこで、自分の経済状況に少しずつ向き合い、まずは支出の記録から始めることに。その後、初心者向けのお金の管理方法の本を2冊読みました。

本を読みながら考え方を学び、できそうなことは順番に試し、予算を立てたり、貯金したりといった行動ができるようになりました。

その結果、歯のインプラントを3本を入れ、娘も無事大学を卒業することができました。

●4.モーニングページを書き始めた

「モーニングページ」とは、毎朝ノートに3ページ、何でもいいから書くこと。アメリカの作家ジュリア・キャメロンが、創造性を開発するためのワークショップで行っているワークの一つです。

50代の始めごろ1か月半ほど書いて、その後、書かずにいましたが、56歳の夏からまた書き始め、以来、6年以上毎朝書いています。

モーニングページには、頭の中の掃除ができるというメリットがあり、書くととてもスッキリします。心のデトックスとも言えるでしょう。

モーニングページを書き始めてから、文章を書くスピードがとても早くなったと思います。

さらに、毎朝3ページ書いていると、ノートをどんどん消費するので、使いかけのまま余っていた娘の子ども時代のノートやボールペンも、すべて使いきることができました。

 

●5.人が読むブログを書き始めた

私はブロガーですが、52歳の後半に、人が読むことを意識したブログを書き始めました。ちょうど今から10年前のことです。

初めてネット上にブログ(当時は写真日記)を書いたのは、2003年の8月の終わり、娘が幼稚園に入る直前です。以来、9年ほど、身辺日記のようなブログを毎日書いていましたが、この頃は、人に読んでもらうことは考えていませんでした。自分の記録代わりに書いていただけで、読者は、日本にいる親しい友人ぐらいです。

52歳になってから、ブログで収入を得るために、商品として書き始めました。今、私がメインで書いているブログは、人の目を意識して書き始めた7つ目のブログです。

ブログはただ書くだけで、いろいろとメリットがあります。備忘録、頭の整理ができる、自己表現、独自の研究の場になる、記事を書くために勉強することになる、など。読者との交流を楽しむ人もいます。

私もこうしたメリットを享受していますが、さらに、読者を意識してブログを書き始めたことが、数年後に本の出版や、エッセオンラインでの記事の執筆につながりました。

 

今回は、50代でやってよかったことを5つ紹介しました。

50歳の春に始めたフランス語の勉強や、52歳になる年に開始した10年日記、砂糖やカフェインの摂取をやめ、1日2食にしたのもやってよかったことです。

ひとつひとつは違うことですが、すべては、ミニマルに暮らす思想とつながっている気がします。