宇都宮東消防署で18日、心肺停止に陥った患者の救命率向上に向けて救急現場を想定した訓練が行われました。

18日の訓練には宇都宮市消防局の救急隊と済生会宇都宮病院の救急医が参加しました。

訓練は45歳の男性が自宅の2階で心肺停止となり、駆け付けた救急隊による蘇生措置から病院に到着するまでの一連の流れを想定して行われました。

今回の訓練では去年11月に宇都宮市内の消防署に2台導入された、自動式の心マッサージ器と隊員の手による2つの蘇生方法が検証されました。

自動式の心マッサージ器は患者を担架や救急車まで移動させるときにも安定した心臓マッサージができるほか隊員の負担が減り薬剤投与など他の救命措置に集中できることが特徴です。

一方で、機器が8キログラムと重いことや患者に装着するまでの時間を考慮しなくてはならないほか、患者の体の大きさなどで使うことができない場合もあるということです。

一旦、心肺停止となると15分以内の蘇生が必要とされ、また日常の生活に戻れる「社会復帰率」は5%前後ということで状況に合わせた速やかな救助方法が求められます。

宇都宮市消防局によりますと機器が導入されてからおよそ2ヵ月で実際の現場で10回以上使われていて訓練の検証結果をみながら今後は市内の全ての救急隊に導入を検討したいとしています。