ドライブレコーダー(通称ドラレコ)、飛行機のフライトレコーダーの「自動車版」が自動車事故を未然に防止する有効な手段になり得ることが30日、国土交通省がまとめた「ドライブレコーダーの搭載効果」に関する調査・分析結果で分かった。

 カメラと加速センサー、GPS(全地球測位システム)、レコーダー本体とメモリーカードで構成される映像記録型ドライブレコーダーは、事故やニアミスなどの「危ないっ!」という瞬間に、その前後10数秒の前方映像やクルマの位置、速度、加速度などの走行データやブレーキ、ウィンカーなどの操作データを記録・保存する。

 神奈川大学工学部の堀野定雄助教授を座長とする専門家チームが2005年、レコーダーを搭載して6カ月以上運行し、かつ、搭載前後での事故率の比較が可能だった全国のタクシー事業者24社を対象に、事故件数の変化を調査した。その結果、事故が50%以上減少した会社が8社、20%−30%減少が5社、10%−20%減少が4社、減少しなかった会社は4社だった。

 また、事故件数の減少とレコーダーの搭載率との関係を分析した結果、営業車両全車に搭載した事業者では、確実に事故が減少していたことが分かった。また、事故件数が50%以上減少した事業者の過半数で、レコーダーを100%搭載していたが、減少しなかった4社の中に100%搭載した事業者はなかった。

 事業者によってバラつきが生じた理由について、国交省は「レコーダーの記録を用いた安全教育を的確に実施したかどうかによる」と説明。同省は、ドライブレコーダーは事故防止に一定の効果があると評価した上で、「レコーダーに記録されている」という“運転者の意識”も見逃せないとして、事故を未然に防ぐのは運転者である点を強調した。【了】

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国交省(映像記録型ドライブレコーダーの搭載効果に関する平成17年度調査について)