正月疲れに効く「三日とろろ」とは?和食の匠に習う簡単レシピ

体にやさしい三日とろろで、正月疲れを解消!

お正月も三日目になると、ごちそうを食べたり、お酒を楽しんだりすることが続き、なんとなく体に疲れを感じるかもしれません。そんなとき、三日とろろはいかがでしょう。

三日とろろとは、北関東や東北地方に伝わる、お正月の三日目に、とろろご飯やとろろ汁を食べる風習のこと。

この三日とろろを、余りがちな餅を使って作ってみましょう。レシピを教えてくれたのは、和食の匠・野粼洋光さん。

そもそも三日とろろって、どんな料理?

古くから滋養強壮に効果があるといわれている山芋。とろろにして食べることで、無病息災を祈願する意味があると言われています。

福島県出身の野粼さんには、子どもの頃、お正月料理としてとろろ料理を食べた思い出があるそうです。

「山芋は胃にやさしく、消化を助ける効果があると言われています。正月の間、お酒を飲んだり、味の濃い料理を食べたりしますから、とろろを食べることで疲れた胃を助けて、体のバランスをとることができます。昔ながらの養生食なんですよ」

先人の知恵が詰まった料理、三日とろろ。体にやさしい、縁起物の料理を作ってみましょう。

野粼さん直伝!餅の三日とろろレシピ

野粼さんが教えてくれるのは、材料も作り方も実にシンプル。ちょっとしたひと手間で、ワンランク上のおいしさになります。

この記事では餅を使ったレシピと、簡単アレンジ術をご紹介。

材料(2人分)

・長芋……1/2本
・餅……2個
・豆腐……1丁
・しょうゆ……適量
・刻みねぎ……適量

山芋には長芋や大和芋などの種類がありますが、今回は手に入りやすい長芋を使います。

作り方

1. 長芋の皮を厚めにむき、すり鉢ですりおろす

真っ白なとろろを作るために皮は厚めにむきます。最近の長芋は品種改良されているため、すぐに食べるなら、アク抜きの必要はありません。

皮をむいた長芋をすり鉢の内側に当てて、すりおろします。

「ポイントは、おろし金ではなくすり鉢を使うこと。なめらかな食感のとろろになりますよ」

2. おろした山芋をすりこ木でする

すりおろしたとろろを、さらにすりこぎですります。

「混ぜるときは、空気を含ませるように!このひと手間で、とろろが見違えるようにふんわり仕上がります」

3. 焼いた餅にとろろをかけ、長ねぎを盛り付け、しょうゆで味をつける

餅はあらかじめこんがりと焼き、食べやすいようひと口大にカットしておきます。その上からとろろをかけ、お好みで長ねぎをトッピングしましょう。

味付けはしょうゆのみ。野粼さんのおすすめは、スプレーボトルにしょうゆを入れておくこと。かけすぎて塩っぱくなる心配がありません。

「ミストのようにしょうゆをシュッシュッと吹きかければ、全体にまんべんなくいきわたらせることができます」

最後に、七味、ゆず、わさびなどお好みの薬味を添えれば完成です。

素朴でシンプルな料理ですが、ふんわりしたとろろと、こんがり香ばしい餅のコントラストが絶妙。いつもの餅とは、ひと味違った味わいです。

食材を変えれば、アレンジ自在!

豆腐の三日とろろ

とろろをかける食材を変えれば、さまざまにアレンジができます。おすすめは、胃にやさしい豆腐。豆腐は温めても冷たいままでもOKです。水切りせず、そのままひと口大に豆腐を切り、とろろをかけます。

味付けは餅と同じくしょうゆのみ。のりをトッピングすれば、磯の香りが食欲をそそるひと品に仕上がります。

俵ごはんの三日とろろ

白ごはんを俵の形にし、祝い結びにしたにんじんを添えれば、とろろごはんがおもてなし料理に大変身。ちょっとしたひと手間で、お正月らしい華のある料理になります。

さまざまな楽しさがある、三日とろろ

取材協力

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