究極のおうちフライドポテトの作り方!専門店直伝、だれでもおいしくできる永久保存版レシピ

粉いらずで簡単。史上最高のおうちフライドポテトレシピ

クリスマスや年末年始のパーティーシーズンに欠かせないフライドポテト。どこでも手軽に購入できるからこそ、自分で作る機会ってあまりないですよね。しかも「買ったほうが簡単だしおいしい!」なんてことも……?

いやいや、ちゃんとしたレシピを知ればおいしく作れるはず。ということで、浅草のベルギーフリッツ(フライドポテト)専門店「Frites Bruges(フリッツブルージュ)」のオーナーであり、自身もフライドポテト職人として日々Twitterで情報を発信する山下さんに、とっておきのおうちレシピを教えてもらいました。

「これまでに色々と試作したなかでも、最高傑作のレシピをお教えします。一番ミスが発生しにくく、だれが作ってもおいしく仕上がりますよ。揚げ時間は長いですが、粉をつける必要もありませんし、すべての工程が簡単!

正直言うとレシピを内緒にしてお店で出したいくらい。本場ベルギーにも飛び、日本でもあらゆるフライドポテトを食べ尽くしてきた自分も感動してしまうくらいのおいしさです……」

材料(2~3人前)

・じゃがいも(男爵)……中2~3個
・皮付きにんにく……3~4かけ
・フレッシュローズマリー……適量
・バター……50g
・塩……適量
・ブラックペッパー……適量
・オリーブオイル……適量

「香りづけのために、にんにくは皮付きのまま使いましょう。そのまま揚げると中身がホックリとした食感になり、ひとつの具材として楽しめますよ。風味があるため、揚げ油はオリーブオイルがおすすめ」

フライドポテトに適したじゃがいもとは?

「品種としては男爵がベスト。でんぷん質が多いため、ザクッとした食感に仕上がります。さらにいうと一番いいのは新じゃがで、焦げにくいのと食感がいいですね。大きさはとくに関係なく、小さいものでもまったく問題ありません。

たとえば、メジャーな品種でいうとメークインは水分が多いので調理しにくく、シナっとなりやすいのでおすすめしません。じゃがいもは品種によって糖分が違うので、時間を調整してください」

作り方

1. じゃがいもをくし切りにする

じゃがいもは皮付きのまま、くし切りで6~8等分します。

「切り方はかならずウェッジ(くし切り)で、絶対に皮は向きません。じゃがいも特有の香ばしさがより際立ちますし、揚げたときに皮と中身で違う食感を楽しめますよ。皮にはビタミンも含まれているので、栄養価的にもおすすめです」

2. 電子レンジで皮の端がめくれるくらい加熱する

切ったじゃがいもをボウルやタッパーに入れて水洗いし、耐熱皿に並べふんわりラップをかけます。このとき、皮を下にするとくっつき防止になります。

電子レンジ500Wで5分ほど、皮の端が少しめくれるまで加熱します。加熱できたらラップを外し、粗熱が取れるまで少し待ちます。

「切ってからもまた水で洗うことで、余計なでんぷんが流れ出ます。皮のめくれ具合は、サクッとした食感になるかどうかの重要な分かれ道!思ったよりめくれていても大丈夫ですよ」

3. 材料をフライパンに入れる

じゃがいもの粗熱が取れたら、着火前のフライパンに並べます。うえから、じゃがいもの7~8割の高さまでオリーブオイルを注ぎます。続いてバター、にんにく、生のローズマリーを加えます。

「オリーブオイルだけではなく、バターをいれることで風味が格段にアップ。コクも増すので省略せず、必ず入れてほしいですね」

4. 冷たい油から160℃で揚げる

3を火にかけていき、揚げ物としては低温の160℃に調整します。中火で160℃をキープしながら5~10分揚げます。

温度が上がりすぎてると感じたら、いったん火を止めるなどして調節します。

「火をつけてからは、じゃがいもをいじらないようにしてくださいね。温度計のない場合は、小さな泡がふつふつと立っている状態を目安にします」

5. 20分かけてじっくり揚げる

時間が経ち、油にローズマリーとにんにくの香りが移ったら、ようやくじゃがいもをひっくり返します。と同時に、ローズマリーとにんにくを取り出します。

具材がじゃがいもだけになったら、じっくり20分かけて黄金色になるまで揚げます。

「ローズマリーとにんにくは入れっぱなしにすると焦げてしまうので、必ず取りのぞいてください。焦げの香りがついてしまいます」

6. 熱いうちに塩こしょうをかける

綺麗な黄金色になったら、フライパンから取り出してしっかり油を切ります。フライドポテトが熱いうちに塩こしょうで味つけして完成です!

「塩は揚げ終わってすぐ、とにかく早めにかけるのが大切なポイント。フライドポテトの表面に油が浮いている揚げたてだと、味がつきやすいですよ。揚げたにんにくとローズマリーを一緒に盛りつけるとおしゃれに仕上がります」

レシピのおさらいポイント

最初に皮が少しめくれるまでレンジで加熱する

冷たいフライパンからじっくり揚げる

じゃがいもをひっくり返すのは1回のみ

揚がった瞬間に味つけをする

揚がったフライドポテトの断面を確認

「皮目と中身で2層になっているのがわかるでしょうか。このくらいの状態と色合いがベストですが、お好みによって揚げ時間を伸ばしてもいいかもしれません。

逆に揚げ足りない状態で引き上げたり、強火で一気に揚げることだけは避けてくださいね。じっくりゆっくり揚げましょう」

黄金色に輝く「究極のフライドポテト」の完成!

ついにフライドポテトのプロ直伝「究極のフライドポテト」のできあがり。揚げているときから思っていましたが、今までのフライドポテトとは明らかに違う香りです。

口に入れた瞬間からわかる特別感……。外はカリっとして香ばしく、中はマッシュポテトのようになめらかでクリーミーです。最初に加熱したときにめくれた皮の部分はサックサクに揚がっていてたまりません。

じゃがいも本来の味もしっかり残っており……というよりも、じゃがいものおいしさを極限まで引き出している感じです。筆者が今までに作ったフライドポテトレシピのなかで、断トツのおいしさでした。

時間はかかるけど、簡単で史上最高においしいフライドポテト

実際に作ってみるとわかりますが、時間は少しかかっても、決してむずかしくはありません。香りのついた揚げ油は、ほかの料理に使ってもいいかもしれません。シンプルに野菜を素揚げしたり、鶏もも肉を揚げるのがおすすめ。

「フライドポテトは食感が命。このレシピは、カリッ、サクッ、ほくほく、あらゆる食感を同時に楽しめます。できれば材料や工程などを省いたりすることなく、忠実に再現してほしいですね。そうすれば、必ずおいしいフライドポテトに出会えるはずですよ」と山下さん。

初心者も料理上級者も知っておいて損はない、永久保存版のレシピになることでしょう。

取材・文/有竹亜季

取材協力