『ドライブ・マイ・カー』が見事ノミネート!
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 13日、第79回ゴールデン・グローブ賞映画部門のノミネーションが発表され、村上春樹の同名短編小説を基にした濱口竜介監督作『ドライブ・マイ・カー』が作品賞−非英語作品(旧・外国語映画賞)にノミネートされた。

 同作は、妻を失い喪失感を抱えながら生きる主人公(西島秀俊)が、ドライバーの女性(三浦透子)との出会いをきっかけに新たな一歩を踏み出す姿を描いたヒューマンドラマ。『寝ても覚めても』や『偶然と想像』など世界から注目を浴びる濱口監督がメガホンを取り、カンヌ国際映画祭では日本映画として初となる脚本賞を受賞。ニューヨーク映画批評家協会賞では作品賞、ボストン映画批評家協会賞では作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞の4部門で受賞するなど、海外の映画賞レースで存在感を見せている。第94回アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表作品にも選ばれている作品だ。

 日本映画のゴールデン・グローブ賞ノミネートは、是枝裕和監督の『万引き家族』が外国語映画賞に、細田守監督の『未来のミライ』がアニメーション作品賞にノミネートされた第76回ゴールデン・グローブ賞以来となる。

 最多ノミネートは、ケネス・ブラナー監督の『ベルファスト』とジェーン・カンピオン監督の『パワー・オブ・ザ・ドッグ』でそれぞれ7ノミネートだった。

 ハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)の投票により選定されるゴールデン・グローブ賞。今年に入ってから人種差別や性差別、倫理上の問題などHFPAの長年にわたる腐敗した体制が問題視され、5月には米NBC局が授賞式の中継見送りを決めている。HFPAはこの8か月で倫理・行動規範、会員資格をはじめとした内規を徹底的に見直し、これまでで最大にして最も多様性に富んだ新会員21名を迎えたと発表。テレビ中継はされないものの、新体制で授賞式を1月9日に受賞結果を発表するとしている。そうした背景があり、今年は賞の選考のための応募も必要なかった。(編集部・市川遥)

映画部門のノミネーションは以下の通り。

■作品賞(ドラマ)
『ベルファスト』
『ドリームプラン』
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
『コーダ あいのうた』
『DUNE/デューン 砂の惑星』

■作品賞(コメディー/ミュージカル)
『ウエスト・サイド・ストーリー』
『tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!』
『シラノ』
『リコリス・ピザ(原題) / Licorice Pizza』
『ドント・ルック・アップ』

■男優賞(ドラマ)
マハーシャラ・アリ 『スワン・ソング(原題) / Swan Song』
ハビエル・バルデム 『ビーイング・ザ・リカルドズ(原題) / Being the Ricardos』
ベネディクト・カンバーバッチ 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
ウィル・スミス 『ドリームプラン』
デンゼル・ワシントン 『ザ・トラジディ・オブ・マクベス(原題) / The Tragedy of Macbeth』

■男優賞(コメディー/ミュージカル)
アンドリュー・ガーフィールド 『tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!』
ピーター・ディンクレイジ 『シラノ』
レオナルド・ディカプリオ 『ドント・ルック・アップ』
アンソニー・ラモス 『イン・ザ・ハイツ』
クーパー・ホフマン 『リコリス・ピザ(原題) / Licorice Pizza』

■助演男優賞
ジェイミー・ドーナン 『ベルファスト』
キアラン・ハインズ 『ベルファスト』
ベン・アフレック 『ザ・テンダー・バー(原題) / The Tender Bar』
トロイ・コッツァー 『コーダ あいのうた』
コディ・スミット=マクフィー 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

■女優賞(ドラマ)
ジェシカ・チャステイン 『タミー・フェイの瞳』
オリヴィア・コールマン 『ロスト・ドーター』
ニコール・キッドマン 『ビーイング・ザ・リカルドズ(原題) / Being the Ricardos』
レディー・ガガ 『ハウス・オブ・グッチ』
クリステン・スチュワート 『スペンサー』

■女優賞(コメディー/ミュージカル)
レイチェル・ゼグラー 『ウエスト・サイド・ストーリー』
アラナ・ハイム 『リコリス・ピザ(原題) / Licorice Pizza』
マリオン・コティヤール 『アネット』
ジェニファー・ローレンス 『ドント・ルック・アップ』
エマ・ストーン 『クルエラ』

■助演女優賞
カトリーナ・バルフ 『ベルファスト』
アリアナ・デボーズ 『ウエスト・サイド・ストーリー』
キルステン・ダンスト 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
アーンジャニュー・エリス 『ドリームプラン』
ルース・ネッガ 『PASSING −白い黒人−』

■監督賞
ケネス・ブラナー 『ベルファスト』
ジェーン・カンピオン 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
マギー・ギレンホール 『ロスト・ドーター』
スティーヴン・スピルバーグ 『ウエスト・サイド・ストーリー』
ドゥニ・ヴィルヌーヴ 『DUNE/デューン 砂の惑星』

■脚本賞
ポール・トーマス・アンダーソン 『リコリス・ピザ(原題) / Licorice Pizza』
ケネス・ブラナー 『ベルファスト』
アダム・マッケイ 『ドント・ルック・アップ』
アーロン・ソーキン 『ビーイング・ザ・リカルドス(原題) / Being the Ricardos』
ジェーン・カンピオン 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

■音楽賞
『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
『ミラベルと魔法だらけの家』
『パラレル・マザーズ(原題) / Parallel Mothers』
『DUNE/デューン 砂の惑星』

■歌曲賞
「Be Alive」『ドリームプラン』
「Dos Oruguitas」『ミラベルと魔法だらけの家』
「Down to Joy」『ベルファスト』
「Here I Am (Singing My Way Home)」『リスペクト』
「No Time to Die」『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』

■作品賞−非英語作品(旧・外国語映画賞)
『コンパートメントNo.6(英題) / Compartment No. 6』(フィンランド)
『ドライブ・マイ・カー』(日本)
『ア・ヒーロー(英題) / A Hero』(イラン)
『The Hand of God』(イタリア)
『パラレル・マザーズ(英題) / Parallel Mothers』(スペイン)

■アニメーション作品賞
『ミラベルと魔法だらけの家』
『あの夏のルカ』
『フリー(原題) / Flee』
『マイ・サニー・マード(原題) / My Sunny Maad』
『ラーヤと龍の王国』