体外受精により50歳で女児を出産した女性(画像は『Metro 2021年11月15日付「Single woman in her 50s welcomes baby girl through IVF」(Picture: SWNS)』のスクリーンショット)

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イギリス在住のある独身女性がドナーから精子提供を受け、今年3月に女児を出産した。「これが最後のチャンス」と体外受精に踏み切った女性は現在51歳だという。世間からは女児の誕生を祝福する一方、母親の身勝手さを非難する声もあがっており物議を醸している。『Metro』『The Mirror』などが伝えた。

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英ウェスト・サセックス州クローリー在住のケリー・クラークさん(Kelly Clarke、51)は2020年7月にギリシャのアテネで体外受精によって妊娠し、今年3月31日に50歳でライラ・レイちゃん(Lyla Rae)を出産した。

ずっと母親になりたいと思っていたケリーさんは2020年3月、友人の勧めで体外受精を考え始めたそうでこのように振り返っている。

「ずっと家族を持ちたいと思っていたのですが、なかなか縁がなくて。友達の友達がアテネで体外受精をして、最高の経験だったと話していて私にも勧めてきたんです。それからは『今やらなければチャンスを逃してしまう』と思うようになって、アテネの不妊治療クリニック『Serum IVF』に連絡しました。最初のビデオ通話の後、2020年3月に誰にも言わずひとりでクリニックに行ってきました。クリニックのみなさんがとても親身になってくれて、私しか患者がいないのかと思うほどでした。」

そのクリニックで、ケリーさんは2020年10月22日の50歳を迎えるまでに妊娠3か月になる必要があること、また親になるためには精子ドナーを利用する必要があることを伝えられたという。ケリーさんは体外受精を開始するために必要な薬を処方されて一旦イギリスに戻り、2020年7月に再びアテネに向けて飛び立った。

3日間の滞在中に胚移植を受けたケリーさんは、帰国後すぐに仕事に戻ったという。だが体外受精については周囲の反対もあったようだ。

「自分がしたことを考えるととても不思議な気持ちになりました。私は妊娠しているかもしれないことが本当に不思議で…。妹や両親はこのことを知っていましたが、50歳でシングルマザーになることを決めた時はみんな私のことを心配していたし、ドナーから精子提供を受けることに反対していました。特に両親は私が仕事ができなくなって経済的に苦労することが心配で、体外受精に踏み切るのを必死に止めようとしていました。とても辛かったけど、私のことを愛してくれているからこそ反対したんだと思います。」

「でも私がどれだけ母親になりたいと思っていたかも知っています。だからこれは正しい決断だったと思っています。姪や友人の子供たちのおばさんではなく、私が母親になるのですから。家族は成功しなかった時のことも心配してくれましたが、うまくいかないなんて考えたこともありませんでした。」

またケリーさんは「治療費、排卵誘発剤、航空券、宿泊費を含めて合計で約4000ポンド(約61万6000円)でしたが、これは15000ポンド(約230万円)もかかるイギリスでの治療よりもかなり安い金額です」と明かした。

移植から12日後、ケリーさんは妊娠判定検査を受けた結果、陽性であることが判明した。

妊娠初期にはひどい偏頭痛があったもののその後は順調で、ケリーさんは2021年3月31日にウェスト・サセックス州ヘイワーズ・ヒースにあるプリンセス・ロイヤル病院(Princess Royal Hospital)で娘のライラちゃんを帝王切開で出産した。

「帝王切開から回復するまでは母が1週間、妹が1週間付き添ってくれましたが、その後はライラと2人だけで過ごしています。ライラがここにいる今、家族は信じられないほど協力的で、彼らがいなかったらどうなっていたかわかりません」と語ったケリーさん。ライラちゃんが7か月を迎えた現在は「51歳にしてようやく母親になれたという喜びに満ち溢れていますが、いまだに信じられません。正直、シングルマザーであることが簡単だとは言いませんがライラは私にとって絶対的な天使で、夢のような存在です。彼女を授かることができた私は信じられないほど幸運です」とその喜びをあらわにした。

不妊治療クリニックとの間で、娘に妊娠の事実を伝えることに同意する契約を交わしているケリーさんは「ライラが話せるようになったら正直にすべてを伝える予定です。クリニックからはドナーについて『エンジェル・ドナー』や『エンジェル・ファーザー』と説明することを提案されました。これは彼女がどのようにしてこの世に生まれてきたのか、存在感を与えるためです。ひとつ確かなことは、ライラがどれほど愛されているか、私がどれだけ子供を欲しかったかを知ることになるでしょう」と述べている。

なおケリーさんの50歳での出産について、世間からは「おめでとうございます。若い時よりも忍耐や経済力のあるお母さんですね」「あなたとあなたの可愛いお子さんを心から祝福します。愛する家族の未来に幸せがありますように」といった声のほか、「なんて自分勝手な人なんだ。本当に自分のことしか考えていない」「完全に自分勝手。娘が10代になった時、彼女は年金生活者になっています。この子は自分が結婚する前に彼女にとって唯一の親を失うという苦しみを味わうのですね」など非難の声も多数あがっている。

画像は『Metro 2021年11月15日付「Single woman in her 50s welcomes baby girl through IVF」(Picture: SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)