シリーズでお伝えしている県内5つの小選挙区候補者の選挙戦を追う特集は自民党の新人と立憲民主党の前職が一騎打ちの戦いを繰り広げる日光市やさくら市など県内で最も広い選挙区の栃木2区です。

自民党の新人、五十嵐清候補51歳です。

元農林水産大臣の西川公也氏の引退を受けて行われた自民党県連の公募で選ばれ「2区一新」を合言葉に県議会議員からの転身を目指します。

小山市出身の五十嵐候補にとって最大の課題は知名度。

自民党から2人が立候補を目指したことから公認問題が長引き本格的な活動は出遅れましたが、市町ごとに置いた支部を中心に組織をフル回転させ知名度アップは手ごたえを感じてきました。

県議会議長や県連の政調会長を務めた政策通で日光市、鹿沼市などの栃木2区について「歴史や自然、文化に恵まれているのに生かされていない」と課題を挙げ「責任政党の議員が必要だ」と訴えます。

一方、6期目を目指す立憲民主党の前職、福田昭夫候補73歳。

旧今市市の職員から43歳で市長に当選、栃木県知事を務めた後に衆議院議員に転じ政治生活は30年を超えました。

今回は初めて市や町の議員による支援組織を設立し朝立ちや街頭演説で精力的に各地区を回り「地元出身」を強調。

旧民進党の分裂により無所属での立候補だった前回とは異なり野党共闘での戦いに「もう一度名前の浸透から」と票の掘り起こしを図っています。

「地方は疲弊している。国民を苦しめるような税はだめ。分厚い中間層を復活させる」と消費税率の5%引下げなどを提案。「今こそ政権交代を」と訴えます。

公示翌日の20日、青年会議所主催のネット討論会が行われ、2人の候補は4つのテーマで論戦を交わしました。

      

特に経済再建では「1番は成長戦略、内需も外需も新しい活路を見出す」と説明した五十嵐候補に対し、福田候補は「成長戦略と言い続けているが成長はしていない。活性化には内需を拡大することが必要」と意見を戦わせました。       

選挙戦は後半に入り舌戦は一層熱を帯びています。

福田陣営は市長や知事、衆議院議員の実績、地元愛を前面に出して若い相手候補を警戒。

五十嵐陣営には応援で全国を飛び回る県連代表の茂木外務大臣が駆け付けるなど党を挙げた態勢を築きつつ支持を固めようと走っています。