ウィンブルドン2試合で八百長?ドイツ紙が報じる
数々のドラマを残して幕を閉じたばかりの「ウィンブルドン」に八百長の疑いが浮上している。米テニスメディア Tennis.comなどが報じた。
ドイツ紙Weltによると、テニス不正監視団体であるITIA(インターナショナル・テニス・インテグリティエイジェンシー)に対し、「ウィンブルドン」の期間中に八百長の疑いが少なくとも2件報告されていたという。一つ目はダブルスの1回戦で、本命と見られていたペアが第1セットを取った後で続く2セットを落として敗れた試合。賭け金のタイミングや金額の大きさに不自然な点があったため、複数の賭け屋が報告しているとWeltは報じた。もう一つは、シングルスでドイツ人選手と対戦した選手が絡むもので、セットのスコアに関して、いくつかの大手賭け屋を通して5桁の金額(数百万円)が賭けられており、実際その賭け通りのスコアになったとのことだ。
ITIAは報告を受けたかどうかについて肯定も否定もしていないが、進行中の調査については通常コメントを控えている。疑わしい賭けに対する報告は八百長の可能性を示唆するものではあるが、怪我などの他の要因によってもインプレーギャンブル(試合中の賭け)に変化が生じることもあり、報告を受けてITIAがさらに調査することが慣例となっている。
グランドスラムでの八百長といえば、2020年の「全仏オープン」女子ダブルスの試合中にも疑わしい賭けの報告があり、その後、当事者の一人であるヤナ・シジコバ(ロシア)が今大会の出場直後にフランス当局に逮捕されていた。ITIAは今シーズンの第一四半期だけで同様の報告を34件受けているとしているが、いずれも選手の名前は公表されていない。
(テニスデイリー編集部)
※写真は「ウィンブルドン」を運営するオールイングランド・ローンテニスクラブ(AELTC)
(Photo by Alex Davidson/Getty Images)