球界に激震が走った。元中日二軍投手コーチ、門倉健氏(47)の失踪事件――。騒動は5月15日に始まった。同日、二軍の練習を無断で休んだ門倉氏は、それ以降姿をくらまし、家族も連絡を取れない状況になった。

 心配した家族は翌16日に愛知県警に捜索願を出したが、捜査に進展は見られなかった。

 しかし、5月20日の消印で球団宛に退団届が郵送されると、門倉氏の直筆であることを確認したうえで、5月26日付で球団はこれを受理。退団となった。元オリックス球団代表の井菎重慶氏は、その辞め方に「わけがわからない」と語る。

「会社とのあいだには契約というものがあるわけですから、一方的に文書で解除というわけにはいかないでしょう。本来、本人からきちんとした説明がなければ、会社は了承できません。

 でも、今回の報道を見ていて解せないのは、退団を受理したことに対する球団側のコメントがないこと。“今は言えないことがある” ということなんでしょうが、結局は “クビにしたことで、今後関わりありません” と、言いたいのではないでしょうか」

 それにしても、謎の多い失踪劇だ。これまでに、さまざまな憶測が飛び交っている。そのひとつが金銭問題だ。

「2021年に入って、球団にはたびたび門倉の借金問題で電話が入るようになったと、夕刊紙に報じられた。また、彼は横浜に3億円ともいわれる豪邸を所有しているが、現在は韓国系の銀行から約8000万円の抵当権が設定されている。実際に、お金には苦労しているという話も聞いたことがある」(スポーツ紙デスク)

 だが、金銭面で悩みがあるのなら、年俸1500万円のコーチの職を自ら辞するとは考えにくい。金銭問題以外にも女性問題も囁かれるなど、事態は混迷を極めている。

 そうしたなか、ある中日OBが「夫婦間の問題が原因では」と語ってくれた。

「門倉は1998年に結婚しているが、恐妻家で完全に尻に敷かれていることは有名だった。現役時代から、奥さんに財布の紐をがっちり握られていて、飲みに行くこともほとんどなかった。

 コーチに就任してからは、名古屋で単身赴任生活だったが、自由に使えるお金はなかった。名古屋市内の自宅から練習場へは電車通勤。いくら二軍とはいえ、電車で通うコーチなんて聞いたことがないよ。

 また、夜に家に帰れば奥さんと6〜7時間テレビ電話をするそうなんだ。毎日だよ。自由になるお金も時間もない。そこまで束縛されたら、俺だってストレスで逃げ出したくもなるよ」

 本誌は5月29日、横浜市内にある門倉氏の自宅で、夫人に話を聞いた。

――今回の失踪で思い当たる原因はありますか?

「私の口からはテレビなどで話しているので、もうそれがすべてです。本人が出てこないと、私にも本当のことはわかりません。いちばんは主人を、連絡を待っているということだけです」

――夫婦の間に問題があったという話もありますが?

「それは、まったくありません。夫婦仲はいいですし、逆に問題があったのであれば、そっちのほうがびっくりです。そのことに関していろいろ出ていますが、みんな臆測で言ってるだけですから」

 夫人はこう言って、夫婦間の問題を否定した。

 そして、ここにきてもうひとつの可能性が浮上した。前出とは別の中日OBが語る。

「それは、門倉の愛人問題だと聞いている。しかも、愛人との関係がこじれてトラブルに発展し、球団と奥さんも知るところになった。だからこそ、中日の加藤(宏幸)球団代表が門倉の退団を発表したとき、『プライベートな問題なので』と言って、郵送による退団届を受理したんだろう。

 門倉は真面目な性格なんだけど、優柔不断なところもある。じつは、過去にも同じような失踪騒動を起こしているんだよ」

 交流戦の最中に起こった今回の失踪事件。門倉氏自身が、真相を話す機会は訪れるのか――。

(週刊FLASH 2021年6月15日号)