那須塩原市で発生した豚熱は防疫措置が完了し18日、北那須の3つの自治体の市長、町長が栃木県庁を訪れ、福田富一知事に畜産業全般の経営安定化に関する要望書を提出しました。

県庁を訪れた那須塩原市の渡辺美知太郎市長、大田原市の津久井富雄市長、那須町の平山幸宏町長は、福田知事に養豚業の経営安定対策の拡充やワクチン接種の体制づくりなど5項目の要望書を提出しました。

今回発生した豚熱は4月17日に那須塩原市内の2つの養豚場で発生し、24時間体制のブタの殺処分や消毒作業の末、17日に防疫措置が完了しました。

しかし、子豚が生まれるなどして殺処分する頭数が当初のおよそ3万7千頭から2千頭あまり増加したこと、予想外の雨や暑さなどが原因で実際は当初の予定から3日遅れて完了しました。

要望書の中で那須塩原市の渡辺市長は、すでにワクチンを接種していた豚も殺処分をすべきだったのか、適正な見直しを行うよう国に提案してほしいと訴えました。

これに対し福田知事は「100%効くワクチンは開発されておらず、今のところ全頭殺処分という国の指針に従うしかないが、国につなぐものはつないでいきたい」と述べました。

大田原市の津久井市長は「那須地域の畜産産出額は県内46%を占めている。畜産業の経営安定対策を充実させてほしい」と述べたほか、那須町の平山町長は「野生のイノシシの捕獲や経口ワクチン散布などの対策を強化してほしい」と訴えました。