在宅勤務で活用したい「iPhone」驚きのワザ
リモートワークで活用できるiPhoneの裏技を3つご紹介します(筆者撮影)
コロナ禍で広がったリモートワーク。職種にもよるため、全面的に採用されているわけではないが、以前より、在宅のまま仕事がしやすい環境になっているのは事実だ。出社が減ると、iPhoneの使い方も変わってくる。設定を見直すことで、より作業効率がアップすることもあるだろう。例えば、電話の取り方だけを見てもそうだ。周りに同僚などがいなければ、わざわざiPhone本体を手に取り、耳に当てる必要がない。スピーカーフォンでそのまま通話してもいいからだ。
また、普段から着信音を消していると、つかの間、休憩で別室に行ったり、トイレに行ったときに、電話がかかってきても気づかないおそれがある。着信にすぐ気づけるよう、設定も見直しておくといいだろう。さらに、iPhoneには、周囲の音を検知して、利用者に通知してくれる機能もある。在宅で音楽を聴きながら仕事をしているようなときに、役立つはずだ。
そんなリモートワークに活用できる可能性のあるiPhoneの裏技をまとめた。1つ1つは簡単な設定だが、iPhoneの設定項目は多岐にわたるため、見逃しているものもあるはずだ。自分自身の働き方に合わせて、最適な設定を取捨選択してほしい。
1.電話もMac、iPadで受けて効率を上げる
アップル製品は、製品ごとの密接な連携を売りにしている。iPhoneとiPad、Macは、それぞれ搭載されるOSが異なるものの、シームレスに使うことができる。例えば、FaceTimeやiMessageといった機能は、どのデバイスにも採用されており、同じApple IDであれば、端末を問わずに送受信可能。リモートワーク時には、iPhoneからではなく、MacやiPadからiMessegeを送る機会も増えるはずだ。
こうしたサービスは、アップル自身が手がけているものだが、実は携帯電話番号を使った電話も、iPhone以外のデバイスからかけたり、受けたりすることができる。MacやiPad自体には電話機能はないが、Wi-Fi経由でiPhoneの通話を利用する。条件は、同じApple IDを設定して、同じアクセスポイントに接続していること。あとはiPhone側で、ほかのデバイスで通話を許可する設定をすればいい。
「設定」の「通話」で「ほかのデバイスでの通話」をオンにする(筆者撮影)
設定は、「設定」アプリにある「通話」で行う。ここで、「ほかのデバイスでの通話」をタップし、「ほかのデバイスでの通話を許可」のスイッチをオンにすると、iPhone以外のデバイスでの通話が可能になる。対象となるデバイス一覧が表示されるため、個別にオン・オフを設定しておこう。例えばMacで通話はするが、iPadには不要というときは、Mac側だけをオンにしておけばいい。
逆に、MacやiPad側からiPhoneを経由して、音声通話の発信をすることもできる。MacやiPadにはiPhoneのような電話アプリが搭載されていないが、発信時にはFaceTimeアプリを利用する。iPhone側で上記の設定を済ませたあと、MacやiPadでFaceTimeの設定を開き、「iPhoneから通話」のスイッチをオンにしておこう。あとは通常のFaceTimeと同様、FaceTimeアプリを開いて、電話帳や発着信履歴から発信する相手を選ぶだけだ。
MacやiPadで電話を受けると、スピーカーフォンになってしまい、会話が周囲に丸聞こえになってしまうが、自宅でリモートワークしているぶんには問題がない。電話がかかってきた際に、わざわざiPhoneを手に取るより簡単に出られるため、1人で仕事する際には設定しておいてもいいだろう。
2.もう宅配便を逃さない?「ドアベル」を通知
リモートワーク中に、やっかいなのが、突然の来訪者。音楽を聴きながら仕事をしていて、ドアホンが鳴ったことに気づかず、不在扱いになってしまった経験はないだろうか? 不慣れな自宅での仕事だと、手を洗ったあと、うっかり水道を出しっぱなしにしてしまうケースも考えられる。iOS14には、こうした音を認識して、iPhoneに通知を出す「サウンド認識」という機能が搭載されている。これを活用すれば、音を視覚で捉えることができる。
11種類のサウンドを認識して、通知を表示してくれる(筆者撮影)
サウンド認識は、もともと、耳が聞こえづらい人のために用意された機能。そのため、この項目は「設定」アプリの「アクセシビリティ」内に置かれている。標準設定ではオフになっているため、まずは「設定」アプリから「アクセシビリティ」に進み、「サウンド認識」をタップしてから、「サウンド認識」のスイッチをオンにしよう。次に、iPhoneがどのようなサウンドを認識するのかを選択するため、同じ画面で「サウンド」をタップする。
認識できるのは、11種類のサウンド。「ドアベル」や「ドアのノック」「水の出しっ放し」「サイレン」あたりが、リモートワーク中には役立ちそうだ。11種類の中から必要なサウンドをオンにすれば、設定は完了。音が鳴ったときに、iPhoneに通知が表示される。ちなみに、サウンドはサーバーに送られておらず、iPhone内部で機械学習を使って解析している。常時、マイクが音を拾っているが、プライバシーの心配は不要だ。
ただし、音を拾うためにマイクが待ち受け状態になる必要があるため、Siriを音声で起動できなくなるのが難点。設定時に、「“Hey Siri”の聞き取りはできません」と表示される。サウンド認識とSiriのどちらか一方を選ばなければならないというわけだ。とは言え、SiriはMacやiPadでも利用できる。サウンド認識はiPhoneにしかない機能のため、iPhoneはこちらを選んでもいいだろう。
3.LEDフラッシュで着信を見逃さない
iPhoneには、Androidスマートフォンの一部にあるような着信LEDがないため、基本的には画面を確認する必要がある。ただ、リモートワークでiPhoneを置きっぱなしにしていると、なかなか着信に気づけないこともある。本体を裏返しにして、消音にしていると、そのまま大切な電話を逃してしまいかねない。先に紹介したMacで電話を受けるようにしておけば済む話だが、パソコンがWindowsだけだったり、iPadを持っていなかったりする人も多い。
着信時に、背面のLEDフラッシュを点滅させることが可能だ(筆者撮影)
そんなときに利用したいのが、電話の着信時に背面のLEDフラッシュを点灯させる設定だ。このLEDフラッシュは、もともと、暗い場所で撮影するためのもので、文字通りのフラッシュだ。ただ、設定を変更すると、着信を知らせるライトとして活用できる。設定は、「設定」アプリの「アクセシビリティ」内にある。「アクセシビリティ」から「オーディオ/ビジュアル」に進み、最下部にある「LEDフラッシュ通知」をオンにしてみよう。
これで、着信している際に、背面のLEDフラッシュがピカピカと光る。着信音が鳴ってないときこそ着信を逃しやすいため、「消音時に点滅」はオンにしておきたい。ちなみに、電話以外にも、通知が届くとLEDフラッシュが点滅する。あまりに通知の頻度が高いと、視界を遮って邪魔になってしまうため、LEDフラッシュを使うアプリは厳選しておきたい。
LEDフラッシュは、通知の「サウンド」や「ロック画面」と連動する。例えば、Gmailアプリの場合、「設定」アプリの「通知」で「サウンド」をオフにすると、LEDフラッシュは光らなかった。頻繁にメールが届いて、iPhoneのLEDフラッシュがつねにピカピカ光って困るというときには、設定を見直してみるといいだろう。
逆に、メッセージアプリの場合、複数回、2分間隔で通知を表示できる。「設定」アプリで「通知」を開き、「メッセージ」で「通知を繰り返す」を選択。1回から10回の範囲で通知を繰り返せる。この通知とはLEDフラッシュも連携するため、メッセージが届いたあと、しばらく経ってから気づくことが可能になる。iPhoneを机のそばに置いたまま休憩して、戻ってきたときに気づきやすくなるため、オススメの設定だ。