新型コロナウイルスが中国で感染拡大したころ、一部の米紙が中国について「東亜病夫(東アジアの病人)」と表現したが、これに中国政府は強く反発した。(イメージ写真提供:123RF)

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 新型コロナウイルスが中国で感染拡大したころ、一部の米紙が中国について「東亜病夫(東アジアの病人)」と表現したが、これに中国政府は強く反発した。「東亜病夫」は中国人に対する蔑称であるためだが、同じ東アジアに属する日本を指して用いられることはない。これはなぜなのだろうか。

 中国メディアの快資訊は23日、なぜ日本は「東亜病夫」と呼ばれないのかと問いかけ、その理由について分析する記事を掲載した。幕末のころの武士たちの行動が大きく関係しているという。

 記事はまず、幕末から明治にかけて、当時の西洋人は中国のみならず、日本人も見下しており、国際的なイメージは決して良くなかったと主張。それでも西洋人が日本人のことを「東亜病夫」とは呼ばなかったのは明確な理由があるとし、それは明治維新で改革を成し遂げ、国家としての体裁のみならず、国民の考え方や精神性までも短期間で一新してしまった事実のほか、「堺事件」のように幕末に多発した外国人襲撃事件も関係があると分析。そのうちの1つの事件では、襲撃した武士が被害国の代表の前で次々と切腹するという形で謝罪を示したが、これが被害国を始めとする西洋諸国に衝撃を与え、強い印象を残したという。

 一方の中国は、当時の清王朝が西洋諸国に対して「妥協と譲歩」を繰り返しており、次々と賠償金を支払い、領土を割譲していたと指摘。そうした対応の結果として、当時の中国は「東亜病夫」と呼ばれることになり、その蔑称は日本人に用いられることはなかったのだと伝えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)