2018年に行われたロシアワールドカップにて、フランス代表の一員として優勝を果たした後、バイエルン史上最高額の移籍金にてアトレチコから加入した、リュカ・エルナンデス。その時以来となる古巣との対決を翌日に控え、チャンピオンズリーグGL初戦へのプレスカンファレンスではその移籍当初の頃の話にも及んだ。

 これまでバイエルンにとっての最高額の、実に2倍近くをディフェンダーへと投じたこともあり、果たしてそれが正当な金額であったのかテーマとなっていた同選手だったが、複数回に及ぶ負傷やその結果での手術もあり、本来の居場所であるはずのセンターバックの定位置を確保するさえままならず、加えて左サイドバックではアルフォンソ・デイヴィースの後塵を拝する格好となっている。

 そんな移籍初年度を振り返り「難しかったね」と語ったエルナンデスは、負傷による長期離脱のみならず、家族や友人たちと遠く離れて「新しい言語と文化」の国へと渡ってきたこともあり、ただそれでも「人生における決断。失望も悲しみもない」と明言。「クラブは僕に期待してくれているし、僕はぜひそれに応えていきたいと思っている」と意気込みをみせた。

 なお守備位置については、左側のCBであってもSBであっても、「大して気にはしていない」と言うが、フリック監督によれば「本人としてはセンターバックとして自身をみている」と考えているものの、「今は左サイドバックとして、素晴らしい仕事をしてくれている」と説明。「今季の開幕から、その良さを示せているね」

 昨季ブレイクを果たしたティーンエイジャー、デイヴィースは今のところ2年目のジンクスに陥っているようで、「スランプに入っていた、もしくは今も真っ只中にいるかもしれない。そこから抜け出すためにバックアップしていくし、それは若手のブレイク後には普通のことでもあるだろう」とコメント。そのため今は、エルナンデスの左サイドバックでの起用が続いているところだ。

 そしておそらくはCLアトレチコ戦でもエルナンデスは、左サイドバックとして先発出場することになるだろう。「アトレチコとは、今も良い繋がりをもっている」と語ったエルナンデスは、「このクラブは僕に全てを与えてくれた存在であり、特にシメオネ監督は素晴らしい指揮官。僕にとっては世界最高さ。ずっと感謝の気持ちを持ち続けている」と述べた。「ただ試合中はバイエルンのことが重要だけどね」