DeNAのアレックス・ラミレス監督【写真:荒川祐史】

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近年のドラフト戦略の成果で20代に主力が多いDeNA

 2020年のドラフト会議は10月26日に行われる。新型コロナウイルスの感染拡大により甲子園などアマチュア大会の多くが中止になり、スカウト活動も制限された中で迎えるドラフト。果たして各球団はどのような補強戦略を思い描くのだろうか。

 ここでは各球団のポジション、年齢別の戦力構成を検証。今年のドラフトで補うべきポイントと、それにマッチするドラフト1位候補を挙げてみたい。今回はセ・リーグ4位につけるDeNAを取り上げる。

 チーム打率.268、チーム本塁打119はいずれも12球団トップ、チーム得点445もリーグ2位と打線に関しては申し分のない成績を残した今季のDeNA。チーム防御率もリーグ4位の3.78と決して悪い数字ではない。守護神の山崎康晃の不振などはあったが、数字から言えば、むしろBクラスの4位にいるのが不思議なほどだ。

 では、ポジション別の年齢構成を見てみよう。近年、即戦力投手の1位指名が多かったこともあって、主力投手の多くはまだ20代と若い。平良拳太郎や大貫晋一といった今季台頭してきた若手投手もそれぞれ25歳、26歳と若い。東克樹、浜口遥大も25歳、石田健大、今永昇太が27歳とこちらもまだこれからの選手が並ぶ。

野手で圧倒的に少ない10代から20代前半の選手

 ただ、山崎が不振に陥り、東はトミー・ジョン手術、今永は左肩のクリーニング手術と投手陣には不安を抱えているのも事実だ。目前の来季のリーグ優勝を狙うなら、即戦力投手は獲っておきたいところか。

 捕手は伊藤光の31歳が最年長。戸柱恭孝が30歳、嶺井博希が29歳、高城俊人が27歳とまだ中堅世代だ。昨年のドラフトでは東妻純平を指名しており、捕手の補強はさほど重要性は高くない。

 野手では今季、佐野恵太が4番として急成長し、筒香嘉智の抜けた穴をしっかりと埋めた。ホセ・ロペスが37歳とベテランとなっているが、大和は33歳、宮崎敏郎と梶谷隆幸は32歳とまだ老け込む年ではない。20代半ばから後半にかけてが厚い一方で、10代から20代前半にかけての層が薄くなっている。

 来季を見据えた即戦力投手で考えるなら、早大・早川隆久や苫小牧駒大の伊藤大海、トヨタ自動車の栗林良吏、ENEOSの藤井聖ら投手が候補になるか。その場合でも、年齢バランスを考え、2位以下で将来性豊かな野手を厚めに指名しておきたい。(Full-Count編集部)