この暑さに参っているのは、どうやら人間だけではないらしい。

2020年8月26日、三重県鳥羽市にある鳥羽水族館のツイッター公式アカウントが、水に打たれるアザラシの映像を投稿し、話題になっている。

アザラシと水。違和感のない組み合わせだと思った方もいるだろうが、まずは動画をご覧いただきたい。

ツイートされたのは、「滝行アザラシ」と題した、わずか23秒の動画である。

最初の15秒ほどは、ただ流水が岩の上に落ちているだけのように見えるが、後半、岩のように見えた物体が突然動き始めて、アザラシだということが分かる。

アザラシが、流れてくる水を鼻先に当て続けているのだ。

このツイートには、9000件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散中だ(8月28日昼現在)。

滝行しているのは、嫌なことでもあったからなのだろうか?それともただ暑いから?Jタウンネット編集部は、鳥羽水族館に詳しい話を聞くことにした。

少しでも涼を求めて...


お鼻を冷やす(鳥羽水族館のツイートより)

鳥羽水族館は、三重県鳥羽市に本拠地を置く、日本屈指の規模を誇る水族館だ。伊勢湾フェリー乗り場に隣接する3階建ての館内に、約1200種類の海や川の生きものが飼育・展示されている。

Jタウンネット編集部の取材に答えてくれたのは、鳥羽水族館の企画広報室の担当者だ。

「滝行をしているように見えるのは、ゴマフアザラシの『もみじ』(10歳)です。場所は、2階にある『水の回廊』で、循環している水が常に出てくる場所があり、そこで水に打たれていたようです。
『水の回廊』は屋外にあり、館内の冷房は効いていないのです。ゴマフアザラシはもともと北の寒い海域に棲息している生き物なので、外気の暑さは相当苦手なのでしょうね。三重県は連日30度を超える暑さですから、少しでも涼を求めて、滝行をしているのかもしれません。......、と、担当飼育員が申しておりました」

何か、辛いことがあったかどうかは、いくら担当飼育員でももみじちゃんに聞けなかったようだ。


頭も冷やす(鳥羽水族館のツイートより)

ツイッターには、さまざまな感想が届いている。

「が、顔面から打たれてる。動物ってほんとに愛おしいですね」
「アザちゃん水温も上がりますからあの水が出る所は少しでも冷たく成るのを学習したんですね」
「アザラシさん『アザラシだってこの暑さはキツイから、こうやって冷やしてる』 って感じ」
「思わずクスッと笑顔にさせてくれてありがとうございました」

ゴマフアザラシの「もみじ」ちゃん、良い場所が見つかってよかったな。人間たちも、そろそろ滝行できる場所を探した方がいいかもしれない。