プロ初登板を果たした西武・宮川哲【写真:荒川祐史】

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たやすく2死を取るも主軸には連続四球…開き直っての1回無失点

 最速154キロの触れ込みで入団した西武のドラフト1位ルーキー、宮川哲投手が20日、メットライフドームで行われた日本ハム戦の8回にプロ初登板。2四球などで満塁のピンチを招いたが、辛くも1回無失点でしのぎデビューを飾った。

 1点ビハインドの8回に登場した宮川は、先頭の西川を150キロの速球で左飛、大田を130キロのカーブで空振り三振に仕留めたやすく2死とするも、続く近藤の打球にグラブを弾かれ投強襲安打で出塁を許すと、様子が一変。1発のある4番・中田、5番・王柏融を警戒し連続四球を与え、あっという間に満塁のピンチを招く。

 ベンチを飛び出した西口投手コーチから「普通に投げろ」とアドバイスを受けた宮川。これで開き直ったのか、続く渡辺を初球149キロで投ゴロに打ち取り、事なきを得た。この日のMAXは152キロ。新人らしからぬ度胸、コワモテで鳴らす宮川だが、さすがに初々しさものぞくデビュー戦には辻監督も「やっぱりね、初めての登板だから。いいバッターにはもうひとつ攻め切れず四球を出したけど、それも経験。まずは登板できてよかったよ」と苦笑を浮かべた。

 入団当初は先発ローテ入りを期待されたが、キャンプ終盤の2月下旬に右太ももの張りを訴えB班(2軍)に降格。開幕が当初の予定通り3月20日であれば1軍スタートは絶望的だったが、約3か月遅れた間にリリーフ要員として頭角を現した。短いイニングとなれば、抜群の球威はなおさら生きる。今月2日以降の練習試合では4試合に登板し、計4回1安打5奪三振2四死球。失点は味方のエラー絡みの1のみで、堂々と開幕1軍メンバーに名を連ねた。

「次回の登板は今日よりもいい内容で、その次の登板ではさらにいい内容でというように、登板を重ねるごとに成長していけたらと思います」と話した宮川。今季の西武は7回を平井、8回を新外国人のギャレット、9回を守護神・増田が基本線だが、開幕に滑り込んだドラ1ルーキーが“勝利の方程式”に殴り込みをかける。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)