いくつかの州ではビューティ関連の店舗が再オープンするなか、長期的な視点でeコマースに賭けているブランドたちはバーチャル上でのコンサルテーションを強化している。

売り上げを牽引する実店舗でのサービスの埋め合わせをするために、ビューティブランドのウェブサイトではヴァーチャルで顧客候補にプロダクトの相談や助言を行うコンサルテーションが急増した。最近になってヴァーチャルコンサルテーションをローンチした企業にはグロー・レシピ(Glow Recipe)、フーダビューティ(Huda Beauty)、ベアミネラルズ(BareMinerals)、クラリンズ(Clarins)とダーマロジカ(Dermalogica)などがある。この新しいオンライン機能はコマースへダイレクトに繋がっており、より高いコンバージョンを期待できるため、デジタルでのビューティショッピング体験では恒常的な機能として定着するだろう。

チャット数は2.5倍増加

コンサルテーションをサイトに導入する際に、ブランドたちは通常、サードパーティのプラットフォームを起用する。ヴァーチャル動画チャットのスタートアップであるヒーロー(Hero)は、パンデミック中にデサイエム(Deciem)、コスバー(Cos Bar)、そしてラーライン(Laline)をクライアントとして増やした。

「Covid-19感染拡大が起こってから、特に顕著なカテゴリーのひとつがビューティだ。これは複数のトレンドが合わさって、このようになった。セルフケアへの興味が増えたこと、オンラインショッピングが急増したこと、そしてほとんどの人が自宅外での時間を制限しているなか、人間同士のやりとりを求めていることなどだ」と、ヒーローの共同ファウンダーであるアダム・ラビーン氏は述べた。

パンデミックよりも前のクライアントにはクレドビューティ(Credo Beauty)がある。COOであるアニー・ジャクソン氏は、ヒーローがブランドのデジタル事業の12%から15%の間を牽引しているという。彼らは店舗閉鎖中も店舗従業員60人を全員雇用し続け、ヒーローアプリでの質問回答をさせていた。ヴァーチャルコンサルテーションを使わないオンライン購買者と比べて20ドル、平均して高い購入額に繋がったと、彼女は述べる。

パンデミックがはじまって以来、ビューティクライアントにおけるチャット数は2.5倍に増えたとヒーローは述べる。ヴァーチャルショッピング全体のうち25%が売り上げに繋がっている。彼らのプラットフォームでは、コンサルタント側が、ユーザーのデジタル買い物カゴに直接オススメのプロダクトを投入することができる。彼らの報告によると、ビューティクライアントたちはCovid-19による店舗閉鎖が開始されてから、売り上げ合計において388%の増加が起きている。さらにコンバージョン率は32%の増加だ。

「何百単位でリクエスト」

ヴァーチャルコンサルテーションの実装によって、売り上げに成果が現れているブランドは、ほかにも存在する。トゥラ(Tula)は9人編成のリテール部門からひとり起用して、スキンケアのアドバイスチャットを3月30日にローンチした。広報担当者によると、現時点でこの機能を使う顧客は購入額が28%、増加しているという。

D2Cビューティブランドのトレスティーク(Trestique)も先日、ヴァーチャルのコンサルテーションツールをローンチした。すぐにライブチャットを開始することも、シェードのマッチング、もしくはメイクアップのチュートリアルの予約を取ることもできる。プロダクトのオススメを求める声が殺到したことで、この機能が追加されたとトレスティークの共同ファウンダー、共同CEOのジェン・カパーヒ氏は言う。

「セルフィーでのシェードマッチングのリクエストは増加した。何百単位でリクエストが申し込まれはじめていた。(この機能に対して)ひとりしか専任のスタッフがいない状態だった。我々のチームは10人だ。私たちの顧客が求めていることと、問い合わせの多さの結果、はじまったことだ」と彼女は述べた。

人々は触れ合いを求めている

また、同ブランドでは、バーチャルビデオ相談を開始する前から、カスタマーサービスプラットフォームであるゴルジアス(Gorgias)を利用したライブチャットツールを提供していた。ゴルジアスの戦略パートナーシップ・マネージャーであるルーカス・ウォーカー氏は、このツールは以前は注文の問い合わせに使われていたが、いまでは購入前のプロダクトアドバイスとして使われることの方が多いと語った。

閉鎖期間中、ゴルジアスを活用するビューティブランドのあいだでは、ライブチャットの利用は5%増加した。さらに購入を決めていない状態で顧客側が開始したチャットの28%が、売り上げに繋がっているとウォルカー氏は言う。

eコマースに大きく頼る計画をしているブランドたちにとっては、ヴァーチャルコンサルテーション、特に動画のチャットは、通常ならデジタルショッピングで失われてしまう人間とのやり取りを提供する形だ。

「ブランドを愛顧してくれる顧客に頼る小規模ブランドとしては、顧客との関係を育むことができるかどうかはブランドの未来があるかどうかを決めるだろう」と語るトレスティークのカパーヒ氏は、動画コンサルテーションは「人々が求めている人間との触れ合いを提供する」と述べた。

Liz Flora(原文 / 訳:塚本 紺)