アイ・ティ・オージャパン 本社

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 (株)アイ・ティ・オージャパン(TDB企業コード: 580608846、資本金8000万円、大阪府大阪市福島区福島6−13−4、登記面=大阪府大阪市北区豊崎3−15−10、代表伊藤裕教氏)は、5月7日付で事業を停止し、債務整理を四宮章夫弁護士(大阪府大阪市中央区北浜3-2-25京阪淀屋橋ビル6階、コスモス法律事務所、電話06-6210-5430)に一任した。今後、在庫処分などを行い私的整理の方向で進めていく方針。

 当社は、1974年(昭和49年)1月創業、同年6月に法人改組した紳士服の企画卸業者。自社ブランド「GEEGELLAN(ジーゲラン)」「VAGIIE(バジエ)」などを主力に、スポーツカジュアルやニット、ブルゾン、コート、ジャケットなどの紳士服、ネクタイやマフラーなど服飾雑貨の企画卸を手掛けていた。自社デザイナーが企画・デザインを施しサンプル作成後、都市部にて展示会を開催することで営業基盤を確立。価格帯はジャケットが5万円〜10万円程度、セーターが2万円〜8万円程度と高級な商品を取り扱い、全国の百貨店や紳士服専門店などへ販売するほか、地方百貨店を中心に全国45店舗内外へ出店して自社従業員を派遣していた。一部婦人服やOEM製品も取り扱い、ピークとなる2008年7月期には年売上高約22億5800万円を計上していた。

 しかし、その後は同業他社との競合激化に加え、地方百貨店の集客力低迷に伴って売り上げは減少し、2017年7月期には年売上高約18億3200万円にまでダウン。金融機関からの借り入れ依存度も高く資金繰りが悪化するなか、近時は消費税増税に加えて記録的な暖冬の影響を受けて売上げは低迷していた。さらに、今年3月頃から新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛の影響を受け、4月に入り全都道府県で緊急事態宣言が発令されたことで販売先の百貨店および専門店が休業し、直近は前年より9割減と大幅な減収を余儀なくされ資金繰りはひっ迫。4月中旬には代表の死去も重なり、先行きの見通しも立たなくなったことから今回の事態となった。

 負債は2019年7月期末時点で約13億4000万円。

 なお、近畿では20件目の新型コロナ関連倒産で、緊急事態宣言延長後初の関連倒産となった。