トルコ料理は世界三大料理の一つに数えられるとだけあり、前菜やメインディッシュのほか、デザートにまで特徴ある品々が揃っています。

英語名をターキッシュデライト(トルコの悦び)という日本のゆべしに似たロクムや、米と砂糖、牛乳というシンプルな材料で作るトルコ版ミルクプリンのストラッチ、サレップ粉が材料に混ざっていることで独特の粘り気があるドンドゥルマ(トルコアイス)など数え上げるときりがありません。

そんな数あるトルコの甘味の中でも、トルコ名産のナッツと小麦を使った、いかにもトルコらしいスイーツがバクラヴァです。

パイ生地よりもさらに薄い生地に、細かく砕いたクルミやピスタチオなどのナッツを敷きつめて何層にも重ねて焼き上げ、たっぷりのシロップをかけて仕上げられるお菓子で、トルコ以外では中東や中央アジアでも好んで食べられているお菓子です。

バクラヴァは、トルコの街中では専門店で買うことができたり、スイーツショップなどでは店内で食べることもできます。ショーケースにきれいに並べられたバクラヴァを見ればわかるように、バクラヴァと一口に言ってもかなりの種類があります。

定番は、なんといってもピスタチオ入りのものです。トルコ南東部のガズィアンテプ県名産のピスタチオが使われていることが多いのです。また形は似ていてもクルミ入りのものや、仕上げのシロップの代わりにチョコレートを染みこませたものなど、見た目も華やかでバリエーションも豊富です。

どのバクラヴァにも共通して言えるのは、とにかく見た目以上に甘いことです。

バクラヴァを食べたいけれど、甘さ控えめのバクラヴァに選びたいかたは、メニューにKuru(クル)と書かれているものを選んでみましょう。Kuruとは「乾いた」という意味で、バクラヴァ特有の激甘シロップがかかっていないものを指します。バクラヴァ初心者でも、これなら比較的挑戦しやすいでしょう。

現地でバクラヴァの美味しさにハマってしまったかたは、自宅でバクラヴァの味を再現してみてはいかがでしょうか。

実際バクラヴァを作るとき、トルコではユフカという極薄の生地が使われますが、日本で作る場合はユフカを手に入れるのは難しいでしょう。その場合は、春巻きの皮で代用することができます。甘さ控えめの「クル・バクラヴァ」は少ない材料で、しかも30分ほどで作ることができます。

用意するものは、春巻きの皮2枚、クルミ60グラム、砂糖、バターのみです。春巻きの皮に溶かしバターを薄く塗り、砂糖を適量まぶします。こってり目のバクラヴァが好きな方はバターを多めに、甘めが好きな方はお好みで砂糖の量を調整してください。そこに、細かく砕いたクルミをまぶし、手前からくるくると巻いていきます。

もう一枚の春巻きの皮も同様にしたら、綴じ目を下にして3等分に切り分けます。これを180度に予熱しておいたオーブンで8分ほど焼けば完成です。

トルコに来たら食べずして帰ることができないバクラヴァ。現地のあの味が恋しくなったら、ぜひ自宅で再現してトルコの味に浸ってみてはいかがでしょうか。

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