『AI崩壊』
大沢たかお×賀来賢人インタビュー

大沢たかお×賀来賢人

『SR サイタマノラッパー』や『22年目の告白 -私が殺人犯です-』など数々のヒット作を手掛けてきた入江悠監督の最新作『AI崩壊』。AI(人工知能)が国民の生活に不可欠となった2030年の日本を舞台にした今作で、医療AI<のぞみ>を開発した天才科学者・桐生浩介を演じた大沢たかおと、桐生の義理の弟でAIの管理・運営をしている企業の代表・西村悟を演じた賀来賢人が作品について語ってくれた(取材・文:奥村百恵/撮影:山越めぐみ)。

──お2人は今作が初共演となりますが、ご一緒された感想からお聞かせいただけますか。

大沢たかお

大沢:賀来くんの評判は周りから聞いていたので、共演を楽しみにしていたんです。現場での賀来くんは評判通りというか、とても誠実な方で、役に真摯に向き合っていて、本当に素晴らしい俳優さんだと感じました。それから、物語を的確に捉えてらっしゃったので、心から信頼して一緒にお芝居をすることができました。

賀来:大沢さんが出演された作品はたくさん拝見してきたので、共演できると知ったときはすごく嬉しかったです。ここまでガッツリご一緒できる機会もなかなかないと思ったので、現場では大沢さんのお芝居や立ち振る舞いなどを見て学ばせていただきましたし、大沢さんが作品や役に集中してらっしゃる姿を間近で見られたのはとてもありがたかったです。

──義理の兄弟という関係性を作るために現場ではどのようなコミュニケーションを取ってらっしゃったのですか?

賀来賢人

賀来:どうやってコミュニケーションを取ろうか悩んでいたら、大沢さんのほうから声をかけてくださったので、お芝居の話から他愛のないことまで色々とお話をすることができました。だからこそ自然な距離感が生まれて桐生と西村の関係性もしっかりと作ることができたんじゃないかなと思います。

大沢:彼と話していると、日本の今の映画事情やドラマ事情としっかりと向き合って追求しようとしていることがものすごく伝わってくるんです。アメリカや中国の映画市場に比べると決して良いとは言えない状況の中で、賀来くんはこれからの日本映画を引っ張っていかなければいけない世代ですが、それをご本人もよく理解していて、会って割とすぐにそういったことを話してくれたのは嬉しかったです。僕も日本の映画界に対して常に葛藤を抱えながら“俳優”という仕事をしているので、賀来くんのような若い世代の人気のある俳優と深い話ができたのは楽しかったです。

(C)2019映画「AI崩壊」製作委員会

賀来:僕の話もしましたし、“大沢さんが僕ぐらいの年齢の頃はどうだったんですか?”といった質問もたくさんさせていただきました。海外でお仕事をされた経験やご自身で企画して作品を作られていることなどとても刺激になりますし、大沢さんの話を聞いていると“自分もやれるんじゃないか”と勇気が湧いてくるんです。日本の映画界をもっともっと良くしていくのはどうすればいいのかという想いを大沢さんに聞いていただいたことで、“君もやっていいんだよ”と背中を押していただけたような気がします。今作の撮影以降、より一層頑張らなきゃと気合いが入りました。

大沢:賀来くんのように、感性が良い人ほど現状の厳しさを強く感じてしまうと思います。だけど、それに負けずにどんどんブレイクスルーしていって欲しいですね。

──オリジナル脚本でAIを扱った映画を撮るということはものすごいチャレンジだったと思いますが、今作に参加されたことはお2人にとってどのような経験になりましたか?

(C)2019映画「AI崩壊」製作委員会

大沢:まずは公開してみないとわからないですよね。やはり興行を成功させることが僕のミッションなので、今はピリピリしている状態というか。こういったチャレンジングな映画が成功するかしないかで、今後の映画作りに大きな影響を及ぼすという責任も感じています。ですが、それぐらいキリキリしながら作らないと面白くない。“失敗してもいいか”なんて気持ちで映画作りに関わるぐらいなら別の仕事をやったほうがいいのではないかと。上を目指している人達と共にしのぎを削ってお客さんと勝負したほうが面白いですし、そういう思いで作ったので自信を持ってこの作品を届けたいです。

賀来:大沢さんをはじめ監督やスタッフさん、役者陣の熱量がすごい現場でした。オリジナル脚本だからこそゼロから面白いものを作ろうという意志が皆さんから伝わってきたので、自分も何か発信しなければと思わされましたし、この映画のピースのひとつになれたことは僕にとって大きな経験になったと思います。

──今作は人々のライフラインであるAIが暴走する怖さを描く一方で、人間同士の絆や家族の愛も描かれています。お2人は今作をご覧になってどんなことを感じましたか?

賀来賢人

大沢:どんな時代になろうと人と人との繋がりは欠かせないし、今作のようにAIが生活を便利にしたとしても、やはり家族の絆や友人との関係をおざなりにしてはいけないと改めて感じました。既にSNSなどで色んな問題も起きている中、AIの開発が進んだらもっと予想もつかないようなことが起きるかもしれない。だからこそ、人間同士の関係を大切にしなければと、今作に参加したことで強く思いました。

賀来:世の中が便利になっていくことは良い面もあれば悪い面もあるので、だからこそ“自分”というものをちゃんと持ってないといけないと思いました。今作を観終わったあと、単純に“面白かった”と言ってくださる方もいるでしょうし、“何か心に引っかかるものが残った”と感じる方もいると思うので、それぞれが自由に解釈して、観た人同士で感想を語り合ってもらえたら嬉しいです。

──ちなみに、いつかAIを搭載した人間そっくりのロボットが開発されたとしても、俳優の代わりはできないと私は思うのですが。

大沢たかお×賀来賢人

大沢:僕は俳優が自分のイメージ通り100%完璧な芝居ができたらダメだと思っています。多少なりともイメージとズレが生じるからこそ、その人の持っている色気がふと出たりするので、AIがそのズレを自動的に出したとしてもちょっと違うというか。“完璧な芝居がしたい”と足掻いているのに、どうしてもズレが生じてしまうところにその人の魅力が隠れていますから。きっと“俳優”という職業はなくならないのではないかと。AIが演じる日がこないように(笑)、精一杯お芝居に全力を尽くして良い作品を作っていけたらと思います。

──素敵なお話をありがとうございました!

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映画『AI崩壊』は1月31日(金)より全国公開

(C)2019映画「AI崩壊」製作委員会

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