会社に入って数年すると、転職や異動などでキャリアチェンジする人も増えてきます。

最近ではフリーランスという働き方も人気のようで、仕事で実績を積んだ人は独立を考えたりすることもあるでしょう。

山本彩さんは、NMB48の“不動のキャプテン”を8年務めあげ、今年から1人のシンガーソングライターへと、大きくキャリアチェンジしました。

この経験を経て山本さんが考える、「1人でも活躍できるようになるために、大切なこと」とは?

〈聞き手=天野俊吉(新R25副編集長)〉


山本彩(やまもと・さやか)】1993年生まれ。大阪府出身。中高生時代にはガールズバンドでメジャーデビューを経験。2010年、オーディションに合格し、NMB48のメンバーとして活動開始。2011年、NMB48劇場のこけら落としから、キャプテンに就任。2018年にNMB48を卒業。2019年4月に1stシングル「イチリンソウ」を発売。12月25日には3rdアルバム『α』が発売となる

山本さやねえ、ガチの新R25読者だった

山本さん:
私、『新R25』すごい読んでるんですよ

天野:
え、本当ですか? ありがとうございます。


「ツイッターでもフォローしてて…」

山本さん:
GLAY・TAKUROさんの「リーダー論」の記事とか、すごくよかった。

これ(NMB48を)卒業する前に読みたかったなあ〜」って思いましたね(笑)。

出典 https://r25.jp

山本さん:
あと、よく出てる、あの前髪上げてる方の記事をよく読んでます!

天野:
前髪…

山本さん:
あっ、この人です。

出典 https://www.youtube.com

天野:
マコなり社長ですか!!


※日本最大級のプログラミングスクール「TECH::EXPERT」「TECH::CAMP」を運営する株式会社divの代表、真子就有(まこ・ゆきなり)さん。登録者数30万人超の人気YouTuberとしても活躍中。


さやねえが新R25ファミリーということが発覚したので、今日の取材はもう成功です

組織にいること、1人で活動することってどう違う?

天野:
今日は、「セカンドキャリアで活躍できる方法」についてききたいです。山本さんは、グループの一員として8年活躍したあと、今年からソロで活動しているわけですが…

組織から出て1人でも活躍できるのって、どういう人だと思いますか?

山本さん:
「規律のなかに自由を見出す」ことができる人ですかね。



天野:
規律のなかに?

山本さん:
組織にいて「自由になりたい」「制約が多くてイヤだ」って言ってる人って、いざ外に出て自由が手に入っても、どうしていいかわからなくなっちゃう

ダメになっちゃうことが多い気がするんですよね。

天野:
NMB時代にそういう人がいたんでしょうか?

山本さん:
まあそれもあるかも(笑)

NMBでは、「カラコンだめ、ネイルだめ」とかルールが多かったんですけど、ルールを破る子って意味なく破るんですよね…。本当にそこに意志があるわけじゃないというか(笑)。



山本さん:
私はそういうときに、きっちりルールを守るタイプ。

規律の意味に納得できたら、ちゃんと守ったほうが楽しい。それが規律のなかに自由を見出すということです。

天野:
すごく“リーダー・さやねえ”のイメージ通りです。

山本さん:
1人で活動してると、ヘタしたら1週間ずっと部屋にこもりきりで曲をつくる作業をすることもあるんです。

そういうときには、自分で規律を作り出して、大変な仕事に打ち込まないといけない。意味もなくルールを破って喜んでいたりするようじゃ、難しいと思います。


本当にイメージ通りのストイックさで驚いています…

天野:
ちなみにルールといえば、卒業して「恋愛解禁」になったそうですが、変化はありましたか?

山本さん:
私も「卒業したら何かあるのかな」と思ってたんですけど、ないですね

そこに規律をつくってるつもりはないんですけど、いざ自由になったら何もないっていう(笑)。

天野:
…そうなんですね!


中途半端に踏み込もうとしてみましたが、不発に終わりました

大物プロデューサーに言われた一言。「もっと自分の中身を…」

山本さん:
あとは、「自分の言葉で、きれいごとじゃなく本音が話せる人」かな。

これは、今の私ができてないことです。これから身に着けないと。

天野:
なぜそう思うんですか?



山本さん:
小林武史さんに「アイドルから脱却して1人のシンガーになるためには、もっと自分の中身をぶっちゃける必要がある」って言われて…


※小林武史=音楽プロデューサー。これまでプロデュースを手掛けたおもなアーティストに、サザンオールスターズ、My Little Lover、Mr.Childrenなど。山本彩のシングル「追憶の光」などでもプロデュースを担当

天野:
小林さんはなぜそんなことを言ったんでしょう。

山本さん:
私、けっこう「きれいごとを言いがち」って言われるんですよ。

自分をきれいに見せようとすればするほど、薄っぺらい人間に見えてしまう。「そういう歌手にはなってくれるなよ」っていうメッセージなんだと理解してます。

天野:
ただ、アイドルってけっこう「きれいごと」を言わなきゃいけない職業ですよね…「自分をさらけ出せない」のはアイドル時代のクセなんでしょうか?

山本さん:
それはすごくあると思います。

組織にいると、常に中立な立場にいることがいいことだったりするじゃないですか。だから、「グループとしてはこういう意見」っていうのは言えたけど、「自分の意見を持つ」って、ずっとできなかったんです。



山本さん:
歌詞にしても、自分は24歳とか25歳なのに、中高生や10代の恋愛について歌ってたわけです。

「自分そのものの目線で何かを考えること」があまりなかったから、急に1人になったときに、「あれ、私の本音って何なんだっけ?」って

天野:
これまで考えなくてもよかった「自分の本音」に向き合う必要が出てきたんですね。

山本さん:
組織に所属してたら、用意されてる“チームの意見”を自分の意見だと思っておけばいい。

でも、1人でお仕事するとなると“意見”は用意されないから、自分で作り出す力が必要だなって感じてます。

天野:
なるほど。

山本さん:
歌詞の話でいうと、今、「そんなことまで言っちゃっていいのかな」みたいな歌詞に挑戦したいんですよ。それこそ恋愛ソングとか。

それで最近、いろんな女性歌手の方の歌詞をめちゃくちゃ読みこんでるんです。

天野:
一番参考になるのは誰の歌詞ですか?

山本さん:
中島みゆきさんです。


すごい大御所きた

山本さん:
中島みゆきさんの歌詞はすごいんですよ! まさに「きれいごと」じゃない。魂が込められてるじゃないですか。

たとえば「永久欠番」っていう曲知ってますか? 人間そのものって感じがして好きです

天野:
帰ってすぐに歌詞をググります…!


ほかに椎名林檎「ここでキスして。」の歌詞も、「白黒はっきりさせたい、男の人から見たら怖いぐらい女の子だなって感じで、衝撃を受けた」とのこと

ポジティブな意見を言うと“きれいごと言ってる”ととらえる人が多い

山本さん:
ただ一方で、最近すごく思うんですが、「こうしたい」「こういうふうになりたい」っていうポジティブな意見を言うと「きれいごと言ってる」ってとらえる人が多くないですか?

卒業のときに「後輩みんなの道しるべになりたい」って言ったり、音楽をやっていくと話したりしたときも、けっこう批判的なことを言われちゃって。

天野:
たしかに、ネットとかだとそういう風潮がありますよね。

どんなことを言われたんですか?

山本さん:
どうせムリだろ」とか「そんなにうまくいこといくはずない」とか…

天野:
ええ…

山本さん:
評価されるような曲じゃない」とか「今まではアイドルだから見てもらえてただけ」とか「歌も別にうまくない」とか…


めちゃくちゃ出てくるやん

天野:
そういう意見はネットで目にするんでしょうか。

山本さん:
そうです。エゴサしたりとかして、自分から見ちゃうんですよね。

天野:
ネットの意見なんて見ないほうがいいよ、って言われませんか?

山本さん:
…言われますし、自分も人にはそう言いますね!(笑)


人には注意するのに、自分ではエゴサがやめられない山本さん

山本さん:
音楽番組に出たあととか、評判が気になるからすごくネットを見てます(笑)。

テレビ番組に出ると“山本彩ファン”じゃない人の意見がたくさん出てきますから…めちゃくちゃ傷つくこともありますね。

天野:
いや、本当に見るのをやめたほうがいいのでは? なんでそこまでまわりの意見を気にするんですか?

山本さん:
うーん、それは「上に行きたい」からです。



山本さん:
私、結局まだアーティストとしては認められてない。まだアイドルみたいな感じでしか扱われてないんですよ。「いつの間に卒業してたん〜?」とかよく言われますし。

批判するコメントを見ると、「もっと上を目指さなあかんな」って思って、チャレンジしようという気持ちになれる。

天野:
批判をバネにして、モチベーションを上げてるんですね。

山本さん:
そうです。

シンガーソングライターとして活躍したいっていう気持ちは、自分では“きれいごと”とは思ってない。

ただ、それをわかってもらうには、姿勢を見せて、結果を出すしかないと思うんです。姿勢を見せて、結果を出す…

だからこそもっといろんなものをインプットして、自分の言葉で語れることを増やしていきたいって思ってます。





8年のアイドル生活を経て、シンガーソングライターとして活動しはじめて1年。

山本さんは、新たなキャリアに少し戸惑っているようにも見えました。

その表れなのか、最後に「姿勢を見せて、結果を出す」と、決意のように2回繰り返したのが印象的でした。

山本さんが話してくれた「規律のなかに自由を見出す」「自分の本音を語れるようにする」という2つのアドバイスは、会社という組織のなかにいる僕らにとっても、重要なこと。意識していきたいと思います。

そして…“ポジティブに上を目指す”という山本彩さんを、我々『新R25』ファミリーに、(勝手に)認定します!

キャリアや仕事に迷ったら、ぜひ新R25を開いてみてくださいね!

〈取材・文=天野俊吉(@amanop)/撮影=飯本貴子(@tako_i)〉

12月25日、山本彩3rdアルバム『α』が発売!





シンガーソングライター山本彩が表現する、NMB48卒業後は初となるフルアルバムが、12月25日にリリース! プロデュースは、インタビュー中にも登場した小林武史氏をはじめ、亀田誠治氏、寺岡呼人氏など豪華な面々。ぜひチェックしてみてください!

山本彩 3rd Album「α」特設サイト
https://sp.universal-music.co.jp/yamamoto-sayaka/alpha/

『ニューアルバム「α」リリース記念 山本彩と過ごすXmas Night Party』



『ニューアルバム「α」リリース記念山本彩と過ごすXmas Night Party』@UDAGAWA BASEが観覧者を募集!

放送日時:2019年12月25日(水)よる8時〜9時(生放送)
放送チャンネル:AbemaSPECIAL
出演者:山本彩

山本彩と過ごすXmas Night Party」観覧募集
https://forms.gle/UJrKVu53ZJz7sGaw8

※「AbemaTV」公式Twitterをフォローし、RTした方のみ応募可能です。
※応募締切 12月20日(金)深夜24時まで
※本番組はUDAGAWA BASE(渋谷区宇田川町40−1)からの生放送を予定していますが、番組放送中、スタジオ内の様子が見られない場合もございます。予めご了承ください。

また、定額制音楽ストリーミングサービスAWAでは、番組終了後12月25日(水)21時ごろから、3rdアルバム『α』と、山本彩さんからの限定メッセージボイス等が入った特集プレイリストを公開予定!

ここでしか聴くことのできないプレイリストをお楽しみに!

AWA - 音楽ストリーミングサービス
https://mf.awa.fm/38H7z7u
AWA 山本彩アーティストページ