画像提供:松之山支所地域振興課

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 今冬は例年になく雪が降っている日本。半端じゃない雪の量に、交通が遮断され自衛隊まで出動する始末。豪雪地帯の方はさぞかし大変な思いをされただろう・・・。とどうしても暗い気持ちになってしまう。が、しかし。そんな雪国・新潟から、雪に負けない、明るいニュースが飛び込んできた!

 豪雪地の新潟県十日町市の松之山温泉で、花婿を投げちゃうというイベントをしていたのだ。それは雪が激しく降り続ける1月15日。小正月のこの日に毎年行われているという「婿投げ」は、どうやら立派なこの地域の行事らしい。しかもわざわざ、5メートルの崖をチョイスして、花婿を投げては転がっていくのを見ているというのだ。・・・とここで、ごく自然な疑問が。なんで新婚の婿を投げちゃうの? 幸せな2人へのやっかみ?

 「いえいえ(笑)。今から300年程前、松之山天水越地区に伝わる小正月行事でしたが、今は湯元地区に引き継がれ、毎年行われている伝統的な行事なんですよ。地元の娘をとられた男衆の腹いせで始まったとされています!」(松之山支所地域振興課・高橋さん)

 今年は東北地方の温泉旅館のキャンセルが相次いでいたにも関わらず、この行事を見るために県内外から約400〜500人ほどの観光客が集まったという。雪なんてなんのその! だったらしい。ところで幸運にも? 投げられちゃう花婿は、毎年2名選抜される。1人は実際に松之山地区でその前の年に結婚した婿。もう1人はなんと、県内外から募集して選ばれた人だというのだ。ちなみに今年は東京の男性が投げられたんだそう! でもさすがに大雪の中で大変だったのでは?

 「当日は晴れていたのですが、今年は雪がたくさん降ったので、新雪で崖がフカフカしていた箇所も。婿を高く投げても、勢いよく転がらずに、埋まってしまうんですよ! そのまま放置していたら窒息死してしまうので、急いで助け出すのに苦労しました(笑)」(同氏)

 羽織着物姿の男性が宙に舞う。それを見ている雪国の人々は雪で生活に苦労を強いられていることなどすっかり忘れ、歓声を上げ、大声で笑う。主催者側の「明るい気持ちを取り戻して欲しい」という願いは確実に叶えられたのではないか。あっぱれ! (平田桃子/verb)