ドローン安全利用の要、運航管理システム構築へ知恵絞る
各機体の安全性能が上がれば、ドローン同士がより近いところを飛べるため、空間利用率が向上する。宮本プロジェクトマネージャーは「ドローンの機体とUTM、UTM統合システムの三つを重層的に設計する必要があった」と振り返る。
航路オークション―格子状の空間単位で獲得
この取り組みの中で、NECはUTM統合システムの飛行情報管理を担当する。飛行ルートの交差の判定方式が参加社の間でまとまったため、ドローンのルート割り当てアルゴリズムを開発中だ。まずUTM統合システムが日本の空を数メートルから数十メートル間隔の格子状に分割して管理する。
高速道路のようにドローン専用の飛行ルートを指定できれば、特定ルートのみの交通整理に絞れる。だがドローンの用途は空撮や警備、配送など、通行型と滞留型が混在するため、空間単位での管理を検討している。
NEC未来都市づくり推進本部の西沢俊広マネージャーは、「1時間当たり1平方キロメートルに約100台飛行する状況を想定している。歩道上空の飛行可否など、ルール次第で飛行エリアが狭くも、広くもなる」と指摘する。
もし重大事故が発生してルールや飛行制限エリアが変わっても、UTM統合システムから全体に反映させられる。機体の安全性能が向上すれば格子サイズを小さくして、往来する機体数を増やせる。
ハードからソフトへ―AI活用、性能アップ期待
一方、NTTドコモはドローンに載せる空中の電波強度マップや通信モジュールを開発した。ドローンの飛行状況や遠隔制御の通信インターフェースをまとめてモジュール化し、携帯電話の電波で機体とUTMが通信できると実証した。同社の宇野良博主査は「これをベースに安全で最低限必要なスペックが決まる」と期待する。
ドローンにとって安全性やUTM管理に最低限必要なスペックやセンサー構成が示されるのは大きな一歩だ。ソフト開発の指針となる。ドローンは電池や重量の制限が厳しく、機能を増やせばどうしても飛行時間が短くなる。だが電池やモーターなど、ハードの進化は遅い。そこで人工知能(AI)などのソフトの進化が期待される。
