「お好みソース」のポテンシャルを検証する、ゴールデンウィーク連続企画「お好みソース万能説」。これまで数日にわたって、数ある揚げ物にかけてきたが、次は「天ぷら」だ。さすがに天ぷらは天つゆか塩で食べる記者だが、揚げ物である以上、お好みソースをかけて食べられないわけがないだろう。

そもそも、世の中には天ぷらにウスターソースをかけて食べる人もいるようだ。「西日本に多い」という説もあるが、記者の地元ではお目にかかったことがない。ただ、ある天ぷら屋さんで「れんこんの天ぷらにはソースやしょうゆが合いますよ」と言われたことはあった。

れんこんかあるいは海老天か、とも考えたが、今回用意したのはちくわ天。お好みソースは庶民の味であり、合わせるなら天ぷらでありながら、のり弁などに乗っていたりするお手軽おかず、ちくわ天がふさわしいだろう。

からめた途端、若手記者が饒舌に語り出した


一見何の食べ物なのかわからない見た目に

ところで、ちくわ天を食べる場合、一般的にはなにをかけるのだろうか。試食メンバーの若手記者に聞いてみると、「そもそも食べる機会がない」という答えが返ってきた。

「学生のときに、お弁当にちくわの磯部揚げは入ってた気がします。ただ、なにかかけて食べたりはしてなかったような......」

言われてみると、記者もちくわ天はセルフ形式のうどん店でうどんの上に乗せるくらいで、家で食べた記憶がない。練り物だから多分しょうゆだろう、と勝手に仮説を立て、試食をしてみる。

「衣にソースが浸みきらなくて、ちょっと味がバラバラな感じです。ソース、衣の油、ちくわ、となってしまったというか......」

初めての微妙な反応だったが、これは記者も同感だった。ソースが天ぷらに「乗っている」感がぬぐえない。粘度の高さゆえに、衣に浸みなかったのが原因だろう。そこで、多めにソースをかけて、全体にからめるような状態にしてみた。

「これはありですよ。どちらかと言えばチープなサイドメニュー的なちくわ天が、メインのおかずになり得る感じです。しょうゆがいいんじゃないかと思ってましたが、お好みソースいけますね」

若手記者が饒舌に解説してくれた。料理漫画の解説みたいだが、本当にこんなコメントだった。

単体の味が乏しい分、ソースをしっかりとかけるといいようだ。一瞬、まさかの敗北かと思われたが、ソースの量を増やしただけでこの高評価への逆転。まさに、お好みソースのポテンシャルの高さを示していると言えるだろう。

明日(5月5日17時配信予定)は、「揚げドーナツ」をお届けする。