中国が日本や韓国と違って事故や災害発生時に迅速な対応ができるのは社会主義国家だからであり、トップに権力があるために動きが迅速なのだと中国メディアが主張した。(イメージ写真提供:123RF)

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 東日本大震災から7年が経過したが、インフラを中心に復興は進んでいるとはいえ、いまだに約7万3000人が避難生活を送っていることを考えると、被害の大きさを感じさせる。中国では日本の軍国主義などを崇拝する「精日(精神日本人)」と呼ばれる人たちがいるというが、中国メディアの今日頭条は14日、この「精日」がしきりに称賛する日本が本当に素晴らしいところなのか、震災復興の観点から疑問を呈する記事を掲載した。

 記事はまず、日本の軍国主義を崇拝する「精日」と呼ばれる一部の中国人が、日本の戦後復興が早かったことや、技術面で先進的であること、ノーベル賞受賞者が多いこと、映画のレベルが高いことなどを称賛することに不満を示した。次いで「日本は本当にそんなに良いのか」と疑問を呈し、東日本大震災から7年も経つのに、いまだに避難生活をする人が7万人以上もいると指摘。いつ故郷へ帰れるかもわからない人たちがこんなにもいることは「精日のメンツ丸つぶれだ」と論じた。

 また、韓国でも2014年に沈没したセウォル号の引き揚げに3年かかり、遺族が座り込みをして抗議していたことも取り上げ、「中国ではありえないことだ」と主張し、「中国だったら1カ月で解決してくれる」と主張した。それで「中国人であることは本当に幸せなことだ」と感じたと述べ、「来世も中国人に」と、愛国心を強調している。

 記事によると、中国が日本や韓国と違って事故や災害発生時に迅速な対応ができるのは社会主義国家だからであり、トップに権力があるために動きが迅速なのだと主張、日本はイメージこそ良いが、「金を武器製造に充てていて被災者の支援まで行き届かないのだろう」と主張した。

 記事は中国を「偉大な我が国」と終始称賛しているが、中国国営テレビの情報だけをうのみにしていると思わざるを得ない内容だ。中国では、災害直後にテレビでいかに政府が国民を愛しているか、いかに救援が迅速で行き届いているかを連日放送し、国民の愛国心を高めることにかなりの程度成功している。また、事故や災害後の対応が早いとの主張については、高速鉄道脱線事故の際、すばやく車両を埋めるという前代未聞の暴挙に出たことは記憶に新しい。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)