IT企業の人事部長は「レベルにもよるが、まずアウト、懲戒処分は間違いないでしょう。レベルによっては1回ぐらいは大目に見てもよいケースもあるが、スリーストライク、3回目は完全にアウトでしょう。とくに役員がセクハラした場合は余計に厳しく、ワンストライクで辞職です。とくにセクハラなんかが株主総会で問題になったら大変ですから」と語る。

 流通業の人事部長はセクハラを繰り返すと処分は重くなると言う。
「セクハラの場合は一定の禊ぎの期間をおき、たとえば1つの事件が発生し、3年以内で再び起こしたら退職を促すこともあります。かなり昔にやっていた場合はその時に出勤停止とか禊ぎも終わっているから大目に見ることはありますが」と語る。 運良く会社に留まることができたとしても昇進に響くことは先に述べたが、外資系企業ではとくに厳しく、たとえ社内不倫でも許されない。

 外資系医療機器メーカーの人事部長はとくに厳しいのは役員昇進に当たっての“身体検査”だと言う。
「役員にする場合は必ず身体検査はします。一番わかりやすいのが過去の懲戒歴のチェックです。問題ありだなと思う人はまず避けます。外資系企業の身体検査では男女関係は必ずチェック事項に入っていますし、社内不倫のウワサが過去にあるだけでも見過ごすことはしません。その点、日本企業はそうでもないし、緩すぎると思います。男女関係のウワサが多い人が役員になっているというケースはよく聞きます」

 社内不倫も関係がこじれると、怒った女性の側からセクハラされたと訴えるケースもあるようだ。触らぬ神に祟りなし。くれぐれも用心したい。