社員の介護問題を“重要課題”と位置付けている企業は4割超となり、セミナーや説明会の開催などに取り組んでいる企業が半数を超えていることが、経団連の「介護離職予防の取組みに関するアンケート調査」で分かった。

 社員の介護問題への支援を自社内で「人事労務管理上の重要課題と位置づけている」企業の割合は42.7%となり、4割以上の企業で重要課題と位置づけされている。次いで「人事労務管理上の諸課題の一つとして位置づけている」は53.8%となり、「社員の福利厚生の一環として位置づけている」と「特に位置づけていない」がともに1.7%となった。

 介護に関するセミナーや説明会などを開催している企業は56.9%と多く、検討している企業が25.0%、開催予定はない企業が18.1%と続いた。

 介護に関する社員からの相談に対応する窓口を設置している企業は67.5%に上り、その運営状況は「人事部門等に設置してる」が70.9%、「福利厚生サービスに含まれる窓口を紹介している」が46.8%、「契約している外部の介護支援組織が行っている」が44.3%などとなった。

 介護を抱えた社員に対して経済面で支援している企業は57.7%だった。

 介護休業制度を「法律を上回る内容に拡充している」企業は83.8%に上り、その内容は「最長93日を超えて取得可能にしている」が93.9%、「3回を超えて分割取得できるようにしている」が54.1%、「有給(一部含む)での休業としている」が19.4%などとなった。

 その他に、両立支援制度として導入しているのは「介護を事由に取得できる休暇」69.5%、「介護をしている社員の人事異動・転勤についての配慮」58.1%、「在宅勤務・テレワーク」58.1%などの導入割合が高かった。

 在宅勤務・テレワークと、短時間勤務制度・フレックスタイム制度と併せて導入している企業は、回答企業全体の約4割(36.8%)だった。

 調査は、2017年5月〜6月、雇用政策委員会と労働法規委員会の委員企業を対象に実施し、117社の有効回答を得た。(製造業49.6%、非製造業50.4%)(社員数5000人以上59.0%、5000人未満41.0%)