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 みずほフィナンシャルグループは11月20日、IT協会の表彰制度で最高評価の「IT総合賞」を受賞したと発表した。

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 みずほが行ってきたFinTech企業との連携による新規ビジネスモデルの創出、IoTインキュベーションを目的とした新会社の設立、寄付講座を通じた産学連携などが日本企業の模範として総合的に高く評価されたものである。

 産業界では営業利益の最高額を更新する企業が続出する中、企業の営業利益に相当する大手銀行の実質業務純益は、長引く低金利政策の影響でどこも大きく低下している。今期上期(2017年4-9月)の銀行部門の実質業務純益は、三菱UFJが4,422億円(前年比87%)、三井住友が3,053億円(同60%)、みずほが1,807億円(同59%)であった。

 国内銀行部門の不振は長引く低金利政策の影響で、主に次の3つの要因でもたらされたものである。

 1.貸出し金利から預金金利を引いた預貸金利回り差の縮小による収益低下 2.インターネット販売などの普及により、保険や投資信託などの販売不振による手数料収入の減少 3.長短金利差の縮小で国債を買って収益を出すことが困難

 海外の銀行事業の拡大で国内の実質業務純益をカバーしてきた三菱UFJに対し、従業員数、拠点数の削減や新規ビジネスモデルの創出など抜本的な構造改革を打ち出したみずほの動きを見ていこう。

■前期(2017年3月期)実績と今期(2018年3月期)上期(4-9月)実績

 みずほ証券などを含んだみずほグループ全体の前期連結業務純益は前年よりも1,894億円減の6,634億円(前年比78%)で、その内みずほ銀行、みずほ信託銀行の銀行部門のみの実質業務純益は前年よりも1,941億円減の4,943億円(同72%)と、銀行部門の不振が大きく影響した結果となっている。

 要因別に不振の原因を見ると、国内預貸金利回り差は上期が前年比0.08%減の0.93%、下期が同0.09%減の0.89%になり、投信・保険関係手数料収入は前年比220億円減の380億円、国債残高は前年よりも5兆4千億円減の10兆2千億円となった。

 今期上期のグループ全体の連結業務純益は前年よりも1,615億円減の2,416億円(同60%)で、銀行部門のみの実質業務純益は前年よりも1,230億円減の1,807億円(同59%)と前期同様の要因による銀行部門の不振が引き続き大きく影響した。国内預貸利回り差は前年比更に0.07%減の0.86%に低下し、投信・保険関係手数料収入は前年比70億円減の160億円、国債残高は前期末残高よりも6,000億円減の9兆6,000億円となった。

■抜本的構造改革への主な取り組み

 基礎的収益力の低減傾向に対応し、経費を削減し稼ぐ力を強化するため次の抜本的な構造改革に取り組む。

 1.AIを活用して業務量を削減し、前期末の従業員数7万9千人を26年末までに6万人に削減

 2.「One MIZUHO」戦略により、銀行・信託銀行・証券を共同店舗化して一体運営し、さらにネット・スマホなどチャンネル戦略との組み合わせも行い、前期末拠点数500を400に削減

 3.FinTech企業との連携により新規ビジネスの創出を強化し、企業の育成、産業の発展に貢献することに主体的に取り組む

 4.銀行・信託・証券を一体とし、顧客のために、資産運用機能とリサーチ&コンサルティング機能を加えて最適なソリューションを提供

 収益基盤の弱体化に抜本的な構造改革で挑むみずほの動きを見ていこう。