岐阜県内の用水路でオオサンショウウオらしきものを1年前に見つけて警察などに通報したと、地元の人がツイッターで報告し、そのときの動く様子の動画を公開した。

Jタウンネットでは、オオサンショウウオも展示している淡水魚水族館の「アクア・トトぎふ」(岐阜県各務原市)に話を聞いた。

水族館は、オオサンショウウオが搬送されたとの情報を否定

紫色のずんぐりとしたものが、水のない細長い用水路の側溝を悠々と進んでいく。4つの足を動かすたびに、体がくねくねと曲がってユーモラスだ。


用水路を歩く「オオサンショウウオ」(だいすけ@?daisuke77570435さんの動画から)

岐阜県在住のだいすけさんは2017年11月5日、こんな10秒ほどの動画をツイッター上にアップした。近所の用水路で「オオサンショウウオ」を見つけたといい、ツイートは注目を集めて、10日昼過ぎ現在で「いいね」が7万件ほども付いている

オオサンショウウオは、世界最大の両生類として知られる。絶滅が危惧されており、国の特別天然記念物にも指定されている。

だいすけさんのツイートによると、2016年夏に見つけ、警察や保健所に通報した。体長は、1.2メートルあった。日光でやけどしたような痕があり、保健所の職員が来るまで水筒で水をかけて死なないようにしたという。近くのコンビニからアルバイトの人がバケツに水を入れて持ってきてくれて、何とかしのいだそうだ。

だいすけさんは、この「オオサンショウウオ」がアクア・トトぎふに搬送されたとツイートしていたが、アクア・トトぎふの広報担当者は17年11月10日、Jタウンネットの取材に対し、これを否定した。

オオサンショウウオか、その仲間の可能性

「調べましたが、オオサンショウウオの治療記録はなく、スタッフが現地へ行った報告もありませんでした。勘違いなのではないかと思います」

だいすけさんも、11月7日のツイートで、アクア・トトぎふに問い合わせたところ、治療記録はないと聞いたとして、「別の施設に搬入されたか、命に別状はないとされ、水場に移動後そのまま離された可能性が高いそうです。保健所の方がアクア・トトぎふに搬送すると聞いたのでずっとそうだと思ってたんですが、、、真相は不明です」と報告している。

オオサンショウウオは、岐阜県内では、長良川の上・中流域に生息している。夜行性だが、8月末〜9月の繁殖期には昼間も活動している。アクア・トトぎふでも、長良川の淡水魚を紹介する中で、オオサンショウウオを実際に展示している。

動画の「オオサンショウウオ」について、アクア・トトぎふでは、オオサンショウウオか、外来種のチュウゴクオオサンショウウオといったオオサンショウウオの仲間ではないかと取材に答えた。

オオサンショウウオを見つけたという問い合わせは、たまにあり、応急処置が必要なときは一時的に預かることもまれにあるが、受け入れについては、施設に余裕はなく、飼育したり展示したりすることはないとしている。