「ババヘラ・アイス」といえば、秋田県民なら知らない人はいないソウルフード、ソウルスイーツだ。「ババ」(年配の女性)が専用のヘラを使ってアイスを盛り付けることから、ネーミングされたと言われている。秋田では、国道沿い、お祭りやイベント会場で見かける、昔懐かしい風物詩だ。

最近、このババヘラ・アイスが全国的に知られるようになってきた。「ドキュメント72時間」(NHK)などのテレビや、雑誌で取り上げられることも多くなり、観光客の間でも「あれ、食べた?」と噂されるほど......。2017年9月14日には、東京・日本橋の高島屋に登場し、話題になった。

そこでJタウンネット編集部は、秋田県男鹿市で「ババヘラ・アイス」を製造販売する進藤冷菓に電話して、話を聞いてみた。

「できれば秋田に来て味わっていただきたい」


「ババヘラ・アイス」のバラ盛り(画像提供:有限会社進藤冷菓)

電話で答えてくれたのは、進藤冷菓の代表・進藤博永さんだった。

「秋田県民にとっては昔懐かしい食品なのですが、県外の人に知られるようになってきたのは、ここ10年くらいでしょうか。ここ数年は、人気に火がついてきたような状態です」と進藤さん。県外のイベントへの出店も増えてきたという。

「とくに人気が高いのは、バラ盛りと呼んでいる独特の盛り方です。イチゴ風味のピンクとバナナ風味の黄色の2色のアイスを、専用のヘラでバラの花びらのように盛り付けていきます」。ババさんたちの熟練の技で盛り付けられるアイスに、驚く人が多いらしい。


「ババヘラ・アイス」を手で持つと...(画像提供:有限会社進藤冷菓)

イベント出店も、秋田県内のスケジュールを優先している。「できれば秋田に来て味わっていただきたい」と進藤さん。ピンクと黄色のパラソルを探して、ババさんの盛り付けのテクニックを鑑賞しながら食べるのがおすすめだ。ただ販売期間は4月から10月末までだという。「在庫がなくなると販売終了となるかもしれません」とのこと。


「ババヘラ・アイス」の販売員(画像提供:有限会社進藤冷菓)

秋田まではちょっと無理という人には、東京で食べる方法があるという。有楽町にある「秋田ふるさと館」だ。Jタウンネット編集部は早速出かけて、「ババヘラ・アイス」のカップを購入した。残念ながら、ババさんが盛り付けてくれるスタイルではないが......。


「ババヘラ・アイス」カップ(写真はJタウンネット編集部撮影)

カップのふたを開けると、ピンクと黄色のアイスが現れた。食べてみると、シャーベットのようで、くどくない甘さが心地よい、さっぱりしたアイスだ。ついつい手が伸びて、一気に食べてしまった。ソーダとミルクの「ブルーアイス・カップ」も味わってみる。なんともさわやかなアイスだ。


「ババヘラミルキー」と「ババヘラアイスガム」(写真はJタウンネット編集部撮影)

「秋田ふるさと館」には、ババヘラアイスの味を再現した菓子も販売されていた。こちらは、秋田市の土産店フルゥールの商品で、進藤冷菓が監修したものだ。