海外を訪れると、現地の消費者が利用する店や公共交通機関などから、その国に根付いているデザインに新鮮さを感じるものだ。時には日本では見られない奇抜なデザインに驚かされることもある。(イメージ写真提供:123RF)

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 海外を訪れると、現地の消費者が利用する店や公共交通機関などから、その国に根付いているデザインに新鮮さを感じるものだ。時には日本では見られない奇抜なデザインに驚かされることもある。

 同様に、中国人も日本を訪れると、日本ならではの街並みやあらゆる物事のデザインに新鮮さを覚えるようだ。中国メディアの快科技は10日、「デザインの仕事に関わる中国人は必ず日本を訪れるべき」と言われていることを紹介し、その理由を考察する記事を掲載した。

 デザインに関わる職業といえば「デザイナー」ということになるが、一口にデザイナーと言っても、ウェブデザイナーやファッションデザイナーなど、その範囲は非常に広い。記事はどの分野のデザイナーなのかは明示していないが、逆に言えばどの分野のデザイナーであっても、日本にはデザインの観点で学ぶべきことが多いということなのだろう。

 記事は、デザインや設計という角度から日本を検証して見ると多くの驚きがあると伝え、「中国人はコスト削減という点ではすぐに理解できても、多額のコストをかけて実用性や機能性を重視したデザインをすること」という点はなかなか理解できないと指摘。コストをかけてまでデザインにこだわる理由がなかなか理解できないのは、中国にそのような環境やニーズがまだないからなのかも知れない。

 しかし、実際に日本を訪れて「街並みの美しさや統一された雰囲気」などを身をもって体験し、そうした雰囲気が「デザインされたもの」であることを理解すると「驚嘆する」と指摘。たとえば、日本の店舗や飲食店は「ただ商品を販売したり、食べ物を提供する」だけでなく、各店のコンセプトのもと「居心地の良い空間が演出されている」とし、訪れる客もその空間の雰囲気を壊すことなく過ごしていることを紹介した。

 記事は日本のデザインには「静けさ」や「シンプルさ」という共通点があるとし、これには日本人の「効能を優先し、資源を最大限に活用する」という考え方が根底にあるためではないかと考察。いずれにせよ、デザインや設計というものは概念や思想に基づいて具現化するものであり、中国人デザイナーにとって「日本を訪れ、日本のデザインを観察することで得るものは大きい」と論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)